プチカメ農場行ってきた
前に行ったタバスコ州ナカフカの近くのカメ農場、その帰り道、ヴィリャエルモッサからうちまでの途中(と言ってもかなりヴィリャ寄りだけど)に、「カメ農場、こちら」と書いた看板を見かけていた。あれえ、あんなところにもあるらしいよ、今度行こうね、と言ってて、実現したのが今日。
例によってヴィリャでの野暮用を済ませて(というか済ませられなくて)、そこへ向かう。都市間道路の看板には、ここから6kmと書いてある。その横道に入って、村を抜ける。うーん、まだ先? たまに見かける人に尋ねたずね、でも一本道だし、みんな「もっと向こう」というのでどんどん進んでいった。タバスキーヨという村のあたりにあるらしいんだけど。
こんな田舎道を走り、実はこういうドライブだけでも大好きなので、ご機嫌〜。
すでにここで、でっかく書いてあるけど、ここはクジャクガメとメキシコカワガメしかいないんだって……。ミゾッコのお嫁さんをあわよくばゲット! とか考えてたけど、でもまあUMAと書いてあるから、前に行った農場と同じ機関が経営していて、生体譲渡はどっちにしても無理だったかもね。
でもせっかく来たから見るだけ、と思ったんだけど……だーーーれもいない。開いているドアの手前の壁には「大人20ペソ 子供10ペソ」と書いてあるけどねえ?
ドアを入った部屋はハンモックがひとつぶら下がってて、隅にプラスチックケースのでかいのが片方持ち上げて斜めにして、ちびこいクジャクガメがうようよ〜〜。誰もいないのに、誘拐されたらどーすんだ。
とか思いながら中へ入ると、まあ前の農場と同じような感じの施設と池があって、ダンナとふたりうろうろしてると、ようやくおじさんが出てきた。
カメ水槽の掃除について
で、まあ、ここはクジャクガメとカワガメしかいないんですよ〜、てな話をしながら、あちこち見せてもらう。クジャクガメ、うようよ。前に見たのと同じ、底面斜めになった洗面台みたいなのがずらっと並んで、全部クジャクガメ。一番でかくなったらどのくらい? てのを身近に見せてもらって、今、うちのクジャコは10ヶ月でこのくらい(と同じような大きさのを指して)になっちゃってー、ウンチの量も半端じゃないし、掃除が大変で、ここではどうしてますかと質問。洗面台だから、栓を抜いて水を流すのかと思ってたんだけど、ポンプで吸い上げてるんだって。排水は遠くの川まで流れるパイプがあって、カメを全部出してゴシゴシ洗って、蛇口(それぞれに開いている)から水を出して貯める。
今日のドライブの最中、ダンナといろいろ話していた。ダンナはそろそろ庭に池を作ってもいいんじゃないかと。まあ家主の許可がいるけどさ。しかし庭の広さに限度があるし、植物もあるから、そんなにすごくでかいのは無理、となると水が臭くなるのも避けられないので、換水は必須。私は大きなプラスチックのたらい(植木屋さんで売ってた)を埋め込んで、底のほうに穴を開け、そこから排水タンク(庭の隅にある)へ直接流れ込むように工事してもらう、という案を提出。ただし、かなりお金がかかる、排水タンクの水位が上がると(大雨降ったりするとありうる)悲惨なことになる可能性もある、という難点が。
できれば私としては、前庭にいろんな作業や洗い物をする洗面台もほしいんだけど……自分の家じゃないのに、そこまでするのもねえ。
そこまで凝らないとすると、今のガラスの水槽みたいにぴかぴかに保つ(て、今も保ってはいないが)のは諦めるとしても、バケツで半分ずつ入れ替えとか、やっぱりかなりしんどいだろうしなあ。
それと、外敵の問題も。サナテは今のクジャコポチコポチオをどうこうしようという大きさはもうないと思うけど、猫は来るしねえ。網をかけるとなると、さらに大掛かりになってくる。あと、カメたちが自由に庭を歩き回るとなると、脱走・行方不明・踏んづけ事故その他の心配も。ブロックである程度区切るか……。
などといろいろ話していたので、今日のカメ農場はその観点から見学させてもらった。
外池のクジャクガメ
外の池にも、クジャクガメうじゃうじゃ。ただ、すごいのは、本当にクジャクガメだけで、アカミミはいないこと。当たり前っちゃあ当たり前なんだけど、クジャクガメとアカミミが混じってる風景のほうが見慣れてしまってるんで……。
おー、人が来たぞー、メシだぞー、と集まってきたけど、カメラを取り出して向けると、
この屋外池も、どうやって掃除してるのかと訊くと、やっぱりポンプで水を吸い上げているんだそうな。そうかー。
外池のカワガメ……?
反対側はカワガメの池で、ほとりのかなり急な崖の上には、Corchoという木やNanceナンセなどが生えて、その実が落ちると池にコロコロポッチャンとはまり、カメの餌になるという寸法。
これがコルチョ。ちょっと調べたけど、ヒットしません。【追記】もう少し調べると、Annona squamosaをコルチョというと書いたサイトを発見、写真もよく似てるし、そう言えば農場のおじさんもグアナバナみたいなもんと言ってたから、これかなあ? でもこれだとチリモヤなんだよね。親戚で、名前がごっちゃになっているのかも。いずれにしても近縁種であろうと思われます。
おじさんによると、もう季節が終わりかけでほとんど実がついてないけど、とのこと。けっこうでかい、こぶしより一回り大きいくらいの実。カワガメ、でかいしね。でもカワガメ自体は水にもぐっていてほとんど見えないという。残念〜、と言いながら見てたら、ちっちゃいのがちらほら。あっ、あそこ、と指差すと、そうそうこないだ小さいのをここに放流したからねー、とおじさん。
炎天下で見えない液晶画面で、盲撮りしてみる(安物コンデジしか持ってなかったので、ファインダーがないのだ)。
あとで車の中で見たら、おおお、ぎりぎりだけど入ってる! と思って拡大してみたら……
おじさぁぁぁん! クジャクガメが混じってますけど!!!
しかもおじさん、クジャクガメのほうの池にカワガメ入れると食べられちゃうんだよねー、って言ってたのに……。そりゃそうでしょうね、って返事してたのに……。
孵化室の卵
あと、孵化室も見せてもらった。って言っても、スチールの棚にアイスボックスが積んであって、そのどれにもクジャクガメの卵が、ビニール袋に土を入れ、その上に並べてぎっしり。まあベコベコにへこんで、これもうダメでしょってのもかなり混じってたし、部屋の隅にはそんな卵をごっそり入れた袋が置いてあったけど……それでもまだすごい数。
ただ、思ったより卵はでかかった。長径5cmくらいあった。カワガメの卵かと思ったくらい。でもおじさんが、これはクジャクガメ、カワガメの卵は今ないんだよね〜、と。カワガメの外池以外にいるのは? と訊いてみたけど、それもいないんだって。カワガメは40匹くらいいると言ってたけど、ほんまかしらん。
袋は口を縛ってあったので、こうするのは乾燥しないようにですか、と訊ねたら、逆〜湿気てカビが生えないようにしてるんだよ、とのこと。そーなのか……。孵化までの日数は3ヶ月から4ヶ月だとか。けっこうかかるんだなー。いや、クジャクガメの繁殖やるつもりはないけど。
洗面台のクジャクガメいろいろ
洗面台で、一個だけ、4匹のみが入ってるところがあって、ここは病気のカメを入れてるんだ、他のに移っても困るしね、と。カビが生えると言ってた。見ると確かに甲羅のところどころが白っぽくはげたみたいになってる。でもおじさんは、それより目が腫れて開かなくなるんだよね、と言うので、じっくり見ると(屋内でちょい薄暗いのと、みんな奥の陸場のほうに集まってこっちにお尻向けているのでよく見えないが)、確かに……。
えーと、それはビタミンAの不足なのでは? と言ってみたら、人の良さそうなにこやかなおじさん、あーそうかもしれないねえ、とニコニコしてたけど……。UMAはもう少し職員の教育に力を入れてほしいかも。
というか、治療してるのかな? あれだけいたら、自力で生き延びないやつはそれが運命、とか思われてそう。そもそもみんな同じものを食べてるんだろうから(人工フードやってると言ってた)、その中の数匹だけがビタミン欠乏症ってのも不思議だけどね。
洗面台の折り重なるクジャクガメを見ていると、一匹、甲羅全体がグレイっぽいのがいた。それは隔離もされてないし、カビって感じでもなくて、突然変異的に色が違うのだろうかと思ったけど、あんまり仔細に眺めてほしくなっても困るので、見ただけでスルーしたけど。
クジャクガメの子供たち
最後に、最初に入った部屋の隅の、ちんまいクジャクガメを改めて見せてもらう。
ちっちぇえー! とはいえ、クジャコもうちに来たころはこんなもんだったよなー。これで生後どれくらいですか、と訊くと、2週間とのこと。許可を得て一匹をつまみ上げ、ヨークサックを確認したけど、痕跡もほとんど消えてた。とすると、グアコはやっぱり当時生後一週間くらいだったのかも。ま、種類が違うから一概に比較はできないけど。
で、あとは入場料を払って、帰ってきた。
獣医さんのお申し出
実はこないだのお客さんは、うちのかかりつけの獣医さんの娘さんの同居人で、獣医さん宅でお好み焼きパーティをするからとお呼ばれもして、午前3時までおしゃべりしたんだけど、そのなかでうちの動物の話も当然ながらして、獣医さんからの養子のクジャコももうでっかくなっちゃってー、ポチコポチオのペアが、ミゾッコのお嫁さんは見つからなくて、なんて話をしていた。すると、獣医さんが、「近所の知り合いに、クジャクガメ何十匹か庭にうじゃうじゃ飼ってる人がいるから、お宅のはメスっぽいって言ったよね? じゃあオスを探してもらってあげる!」と……。う……クジャクガメはこれ以上増やすつもりは一応ないんですが……。
まあ獣医さんは有言無実行なことがほとんどなので(こういう約束に関しては。獣医業務はきっちりやってくれる、98%くらいは)、たぶん大丈夫と思うけど、ある日、「セニョーラぁ〜、持ってきました!」とかにならないことを祈る……。