南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

タバスコ州のカメ農場について

 ちょっといろいろ気になって検索していたら、こんな動画を見つけてしまった。



 タバスコ州(私が住んでるとこの隣の州、だけど、カメ分布的にはほぼ同じ場所と言っていいかと)のナカフカ(Nacajuca)にある、カメ農場(Granja de tortugas)の紹介ビデオ。そんなのがあるんだねえ。今度行ってみようと思います。


 ちょっと調べたところでは、この「農場」はUMA(Unidad de Manejo para la Conservación de Vida Silvestre 野生動植物保護運営団体、みたいな名前)が作って経営しているらしく、設立は1980年、タバスコの在来淡水ガメ7種の繁殖と保護に努めているとか。
 こちらの掲示板にも、この農場を訪れたという人の写真と、それをめぐってあれこれ議論や感想が出ている(スペイン語)。


 ところで不思議なんだけど、どこにも「7種」と書きながら、ビデオでも掲示板でも6種しか紹介されてないんだよねえ。
1.Hicotea=Trachemis venusta チュウベイクジャクガメ、うちのクジャコ
2.Chiquiguau=Chelidra serpentina カミツキガメお店にいたGuauかな(保護種)
3.Tortuga blanca=Dermatemis mawii メキシコカワガメ(絶滅危惧種
4.Pochitoque=Kinosternon leucostomun シロクチドロガメ、うちのポチコ・ポチオ
5.Guao=Staurotypus triporcatus スジオオニオイガメ(保護種)
6.Mojina=Rhinoclemmys areolata ミゾヤマガメ、うちのミゾッコ


 ちょっと不思議なのが、スジオオニオイガメがグアウで、それより大きくなるであろうカミツキガメがチキグアウ(チキは「小さい」の意味の接頭辞)ってことだな。
 あと、タバスコ州のカメで、Guau tres lomos(三本キールグアウ)という名前を出している記事もあったけど、これはスジオオニオイガメのことと思っていいかと。


 そしてたぶんタバスコ7番目の幻の?カメはtaimánかな。
7.Taimán=Claudius angustatus ハラガケガメ
 これは日本でもけっこうペットとして出回ってる? ネットでよく名前を見る気がします。


 ところで、検索していると、ある家を捜索したところ17匹のカメを押収したというニュースが引っかかった。ニュース自体は2008年3月と古いけど、いろいろ参考になったので、抜粋。

  • 17匹の水棲カメを押収、2種の絶滅危惧種を含んでいた。闇市関係者の家だった。
  • タバスコの水棲ガメは7種、クジャクガメ、メキシコカワガメ、シロクチドロガメ、スジオオニオイガメ、カミツキガメ、ミゾヤマガメ、ハラガケガメ。
  • 絶滅危惧種としてはカワガメのみ言及。カミツキガメ、スジオオニオイガメのどちらかがもう一種?
  • 押収されたうち、カワガメは二匹、どちらも10kg超えの個体。
  • 3匹のカメは甲羅に槍で狩られた傷跡があり、クジャクガメの一匹は口に釣り針。どれも獣医に見せて怪我の具合を確認することに。ひでーな、おい。
  • タバスコでは伝統的にこれらのカメを食べるが、2004年以来、登録種の商取引と食料化は禁止されている(登録種というのがすべての7種なのか、絶滅危惧の2種なのか、不明。でもクジャクガメは普通に売られてるから、後者か?)
  • これら登録種の商取引が発覚した場合、1万から5万ペソの罰金と野生動物の売買禁止。
  • この17匹のカメたちはヴィリャエルモッサのラ・ベンタ公園に引き取られる。


 というわけで、我が家でドロガメとかヤマガメが繁殖して持て余した場合、セントラ保護区の自然保護センターに持って行くことを考えていたけど、ナカユカのカメ農場、もしくはラ・ベンタ公園に引き取ってもらうって選択肢もあるわけですね。
 たぶんシロクチドロガメもミゾヤマガメ(は微妙?)も、特別な保護対象にはなってないと思うので、うちで飼ってると言ってもン万ペソの罰金とカメ押収……にはならない、と思うけど。野生動物を捕まえてきて売買すること、輸出することは、メキシコの法律で禁止されているようだけど、現地で、人からもらってとか、勝手に庭に棲みついていて、それを飼うことは怒られないはず。ま、ポチコたちの立場は微妙っちゃあ微妙ですけどね。


 しかし、タバスコ州民の伝統的な食事を全面的に禁止するのはさすがに難しいようで、特にインディヘナの多いチョンタルあたりでは、カメ料理は一応認められているらしい。シロクチドロガメのグリーンソース煮だと100ペソ、グアウはうんと高くて500ペソ(!! でも希少価値を考えたらそれでも安いよね)とか。
 こちらの記事に、その……シロクチドロガメの料理の写真が。いつか消えるかもしれないので、もらっておく。


 ひいいいいいいっ! ポチコが……ポチオが……。こんなオシャレな料理になっちゃうのかーーーー。
 何となく、そりゃあヒコテアとかポチトケ食べると聞いても、その具体的な方法をあれこれ聞いてはいても(それでも「うわあああ」だけど)、もっとなんとなく、捕まえてきて焼いて食べる、というシンプルな食べられ方を想像していたのに、こんな立派な料理になってると、むしろ怖い。
 うちの門、しっかり閉めようと思います。


 もういっちょついでに。
 うちのクジャコも数年後にはこんなふうになるのかしらん? という掲示板の写真を発見してしまった。この人も、このクジャクガメを食べられる危険から救出したと言っている。そうだよね、竜宮城に連れてってもらえるといいですね。