南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

カメンコ失踪事件

 このブログ、終了するかと思っちゃったよ……。


 今日の昼、いつものようにカメンコを前庭に出してやって、日光浴と散歩をさせる。ちょっとだけミゾッコとミゾオの庭にも入れて三者面談させてやったりして(あとでアップします)、昼ご飯を作って、2時半にダンナ帰宅、食事。
 うちは台所と食堂兼居間が前庭に面していて、寝室と私の部屋、ダンナの書斎が裏庭に面している。


 さて、食事を終えて私は食器洗い、そのあいだにダンナがコーヒーを入れるのが毎日の習慣で、コーヒーを持って、ダンナがメールで送られてきたルノワールの絵を私にも見せたいとか言うので、二人してダンナの部屋に入った。スライドショーになった絵を見た、その間せいぜい15分
 さあ、出かけようか、と前庭に出てイグコの籠を部屋に戻し、カメンコを探す。が、見つからない。ダンナに任せて、私はまずイグコとイグリンコのご飯を作った。


 ダンナ、まだ見つからないと言う。まあダンナは目の前にあるものも、ないないと言って探してるやつだからなー、と思いながら私も一緒に探す。
 いない……。
 普段は探さない、水タンクの裏の落ち葉が溜まってるところとかも掘り返してみた。植木鉢のあいだを覗くために四つんばいになって這いずり回った。

 いないよ……。
 ちっちゃかった昔と違って、今は見落とすことなど不可能な大きさ。潜り込めるところだって、たかが知れてる。でも、いない。


 うちの前庭は、完全に塀と門で囲まれていて、カメンコが自力で出て行くことは絶対に不可能。ただし、門を乗り越えることは、成人男性(成人女性でもまあ)なら可能。門の上半分は格子になっているので、そこに足をかけてひょいっと乗り越えれば、門の上は普通に真っ平らだしね。
 カメンコがたまたま、門のすぐ前を歩いていて、道を歩く人がひょいと横を見れば、見える。お、なんか面白いもんがいるな、もらっていこう、と思ったら、乗り越えてポケットに入れて、また乗り越えて出て行くことは、論理的には可能なわけです。


 でもねえ、このコロニーは入り口に警備員がいて、まあその警備員だって鞄の中までチェックするわけじゃないけど、出入りは一応調べているし、門を乗り越えるなんて目立つことをするような人は、めったに、いない、はず。
 なので、油断はしていた。台所か居間にいれば、誰かが乗り越えたらすぐわかるけど、奥の部屋にいたら……。


 庭中をふたりで、二周、三周、探してもいないので、もう連れ去られたとしか思えない。パニック。ちゃんと飼ってもらえるんだろうか、なにを食べるかわかってるんだろうか、面倒になってそこらに捨てられて……などなど、カメンコの未来も心配だし、しかしどうやって犯人を見つけ出していいのか、どうやって取り返せばいいのか、どう考えても、それは無理な話


 とにかく入り口の警備員に話をしてみる、と言って、門を開けて出て、ちょうど向かいの家のお手伝いさんが、待ちぼうけを喰らって家の前に座っているのが目に付いた。ので、ちょっとごめんなさい、と声をかけて、誰か門を乗り越えるの見なかった? と訊いたら、3時からずっとここにいるけど、誰も、と言う。そうだよねえ。
 まあしゃべりながら見ると、そこからだと、ダンナの車がちょうど門を隠しているけど、でも乗り越えたらいくらなんでも気がつく。ただし、私たちが奥の部屋に入ったのは、3時より少し前だったかも。とすると、わずか数分のあいだの犯行か!?

 コロニー入り口まで行って、警備員の兄ちゃんに事情を説明する。でも兄ちゃんも、出入りする人はみんな身分証明書とか見せてもらってるし、特に今日の午後は誰もよそから入ってない、とのこと。庭のどこかにいるんじゃないんですか? と言うので、いやあ、でももう探しつくしたし、でもそうだよねえ、盗む人がいるとは思えないけど……。
 でも出来心って誰にでもあるもんね。車で通ったらカメンコなんか目に付かないだろうから、徒歩の人だよね。ここに住んでる学生たちがコロニーの前の大通りでバスを降りて、徒歩で家まで向かうのはよく見るから、そういう子が盗っていって、家のなかで飼ってたら、すぐ近所でも、絶対にわからないし。
 ほとんど期待はできないけど、とにかく、しばらく出入りする人のチェックお願いね、こんな大きさで白と黒のリクガメなの、と説明して、家に戻る。


 ダンナは憮然として庭に立ってる。どうだった? と言われてもねえ、どこかに潜ってるんじゃないの、って言われたけど、うちの庭、掘れるほど土柔らかくないし、もう探すところないよねえ。
 と言いつつも、諦めきれず、もう一度庭をぐるっと見てまわる……。


 と! いたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!


 何度も何度も見たはずの、リュウゼツランの鉢の後ろに。
 もうね、抱きしめて泣きそうになりましたよ、ホント。どこにいたんだよぉぉぉぉ、お前!!!

 いやもう絶対、そこにはいなかった。どこかにいて、私たちの目を逃れ逃れ、かくれんぼして遊んでた……のか? だって、どこか一ヶ所にじっとしてたなら、見つからないはずがないくらい徹底的に探したんだもん。


 そう言えば前にも、探して、いなくて、あれ……? とちょっと不安になって、本腰入れて探そうとしたら、目の前をテクテクと普通に歩いていたことがあった。あのときも、どこにいたかはわからないけど、まあわりとすぐに出てきたからよかったんだよね。
 今回は、長かった。一時間、探し続けた。そんなに広い庭でもないのにさー。


 いやあ、もうマジで、携帯持たせるしかないですかね?


 カメンコが見つからない時点で、警備員の兄ちゃんと話してくる、と言った私に、ダンナが「そんなら出かける準備をして、出るときに話そう」と言ったけど、いやカメンコ見つからないのに図書館なんか行けないよ。行っても気になってなーんにもできないし、誰かに連れ去られたとしても、とにかく探すのはやめられないし。
 で、カメンコが見つかったから、抱きしめてメッと叱ってチューして、ケージに戻して、出かけるか! と思ったけど……汗だくだし、ぐったり疲れてるし、ダンナはもう午後の仕事に時間ぎりぎりだったので、送ってくれなくていいよ、タクシーで行く、と言ってはみたものの……やっぱりお休みしちゃいましたよ。で、この記事を書いてるわけw


 もうだいぶ汗も引いたし、行ってもいいんだけど、行くだけでまた汗だくになるしなー。今日は、というか今日も、映画鑑賞の日にしようかな。
 カメンコは私のパソコンの画面左下のカメラのなかで、むっしゃむっしゃとご飯食べてます。
 あーーー、誘拐されてなくて、ほんっとうううううによかった!!!! カメンコが盗まれた、なんてことになってたら、他の動物たち植物たち、まだまだいるとはいえ、このブログ続ける気力失っていたかもしれません。
 でも、前庭に出すときはちょっと今後、いろいろ対策考えます。


 長時間のかくれんぼに疲れ切ってお寝んねのカメンコ。この寝顔を見て、改めて、見つかってよかったと思ったよ……。