南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

オリーブタイランチョウを持ち込まれる

 びっくりした。今朝、うちの掃除のおばさんと一緒に、隣の家政婦さんが庭に入ってきた。ミゾッコやミゾッチをくれたりした人だし、チャヤもよく持ってきてもらってるし、でもうちに入ってくるって何事? と思ったら……。
 昨晩拾ったという鳥のヒナ、と言ってももう羽の生えそろった巣立ちヒナを持ってきたって。えーーーーー。
 なんか、うちのセンコ(まだ巣箱に入ってたころに日光浴させてて、この人に見せたことがあった)と同じ種類の鳥だと思って、というんだけど、いやいやぜんぜん違うし! でかいし!
 でもとにかく、なんなの、怪我でもしてるの、と訊いたけど、よくわかりません、夜、地面に落ちてて捕まえたらあっさり捕まったんで、と。


 とりあえず引き取って、さてどうすんべ、と考えて、ヨーグルトの容器のなかでは身動きもしないでいるんだけど、様子がわからんので、センコの(さらにその前はイグコの)鳥かごに入れてみた。その瞬間、センコがすごい興奮して飛び回るし、鳥もバタバタと羽ばたいたので、ひとまず布をかけて落ち着かせることに。



 籠に入ってひと暴れして、ちょっとフリーズしたところ。



 上から。扇形の尾っぽがきれいだなー。



 横顔アップ。前向きに生えたひげが子供っぽい。



 やや正面から。

 で、鳥類図鑑をめくって探すと、割とすぐに該当するのが見つかった。和名オリーブタイランチョウ、学名Tyrannus melancholicus。あー、前に門のところに止まってたのの親戚か! 前のはキバラオオタイランチョウで、頭がまっ黒と真っ白の縞模様だったけど、今度のは頭がグレイ。英名はトロピカル・キングバード。センコはモッキングバード、名前はかぶってるけどねえ。
 で、この子は何を食べるのかと調べると、生きた虫かぁ……。困ったなあ。昨晩からずっと何も食べてないというし、しかも30分もバスに揺られてこんなところまで連れてこられて、衰弱してたりしないかなあ。どうしたもんだか。
 と悩みつつ、しばらく放置。そしたら、落ち着いたのか、自分で動き出して、ピーピー!とすごいでかい声で鳴き始めた。と言っても数回繰り返しただけで、一回は録画成功。



 それから籠を覗き込むと、改めて入れてやった(センコはもう籠に入らないし、ウンチで汚れるばかりなので外してた)枝に止まってた。



 ぼちぼち動いたりしてるので、隙間から撮影。



 なかなかきれいな子だよねえ。でも飼うのは無理。センコと対面させてみたら、意外とどっちも落ち着いてるけど。


 でも「暴君」という名前がつくくらい縄張り意識が強くて攻撃的な鳥だと書いてあるし。センコですらそろそろ持て余して、半放鳥できないかと考えてるのに……。
 このくらいのヒナ(というより若鳥)なら、自分で生きて行けるはず……。できれば元いたところがいいんだろうけど、また30分バスに乗せるのも大変だし。というわけで、籠のなかでひっ捕まえて、


 取り出したら、その瞬間、センコが襲い掛かった! ひえええええ! 空いてた片手で振り払ったし、どちらにもダメージはなかったけど、センコ……。私やイグコにはぜんぜん態度が違ったんだなあと再認識。面白いね、センコにも「鳥」というくくりの概念があるんだろうかね。それとも単に、イグコやワンコ、カメンコと違ってあとから侵入してきた生き物だから?


 こうして見るとやっぱりセンコよりだいぶ大きいし。共存は無理ってことで、元のヨーグルト容器に入れて。




 ワタシ、どうなっちゃうの? と見上げるのを、前庭に連れ出す。容器から出すと、ベンジャミンの根元に飛び出して、そこから塀の上へ。






 これが見納めになるかも、と逆光のなか、いろいろ角度を工夫していっぱい写真撮った。
 しばらくすると、通りがかった人に驚いたのか飛び立って向かいの空き家の前庭に立つベンジャミンの木へ。よしっ、行けっ、行ける! とこっち側から声援したけど、あえなく墜落。
 そのままにしておいても気になるので見に行くと、直射日光ガンガンの芝生に落ちてた。拾い上げようとすると、また飛び立って我が家のほうへ……行くかと思いきや、ふらふら〜っとよろけて隣の家の門からおりしも出てきた三人のおじさんのほうへ。あああ〜、と見てたらそのうちのひとりの胸にぶつかって落ちましたorz
 びっくりしてるおじさんたちに駆け寄って、すいませんすいません、と謝まる私。怪我でもしてるの? と訊かれたけど、そーじゃないんです、まだ飛び方がへたくそで……と言いながら今度こそがっちり捕まえて、連れもどした。
 うちのベンジャミンの枝に座らせて、やれやれ。タイランチョウも午後の暑い時間に必死に飛んだからか、口を開けてハアハア。






 面白いから、いろんな方向から撮影。
 あ、口閉じた。


 それからしばらく様子を見てたけど、動かないので、そのままにして、でも部屋にいて前庭から鳥の声がすると気になるので見に行く。まだいる。


 尻尾がだいぶ落ち着いて、鳥類図鑑でタイランチョウのよく似た3種の見分け方にあった図で確実にオリーブタイランチョウと同定できるようになった。
 6時に見に行ったときはまだいたんだけど、6時半に見に行ったらいなくなってた。その辺、虫も飛んでたし、食べて元気になってどこかに行ったのならいいけどな。無事を祈っているよ。


 というわけで、飛び込みメンバーにかかりきりの一日だった。まあ楽しかったけど。でも、うち、レスキューセンターじゃないんですけどね。なんか、野生動物見つけるたびに持ち込まれそうで今後が怖い……。