南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

イグコ、帰ってきましたーーーー!

 ご心配おかけしましたが、皆さまのお祈りのおかげで、イグコ、無事発見、捕獲しました。考えうる限りでいちばん理想的なシチュエーションで、大した怪我もなく(鼻の頭すりむいてたけど、これはおそらく網戸にこすりつけたものと思われ)、我が家に収容することができました。本当に、本当にありがとうございました!

発見から捕獲までの経緯

 おととい(水)の午後イグコが脱走して、掃除のおばさんは昨日休みで今日来たので、イグコが〜って話をして、見かけたら教えてねと言った。でもおばさん、他のイグアナと見分けがつくかなあと自信なさげ。私たちのドイツ旅行のあいだイグコも含めて世話してくれてたけど、それでもねえ。
 でも私が見れば区別はつくから(あんまり時間が経つとわからんけど)、とにかく知らせてねと頼む。
 で、おばさんが仕事終わって、セニョーラやっぱ元気ないですねとか言われた。そうかな、あんまり自覚はなくて普通のつもりだけど、と思いつつおばさんと門まで一緒に出て、立ち去りかけたところを呼び止めて、その辺にいないか見ておいてね、とまたまたしつこく念を押しながら、ふとうちの庭のベンジャミンの梢を見上げたら……


 いたーーーーーーーー!


 刈り込んだばかりでスカスカのベンジャミンの梢のてっぺんに、イグコが、のんびりと日向ぼっこしてる! 梢の高さは屋根と同じくらい。屋根からは手を伸ばして届くかどうか(たぶん無理)。とにかく掃除のおばさんが、セニョーラ走って! 梯子取ってきて! 見てるから! というので、裏庭に走って、うちの梯子は長すぎて家の中を通らないので、裏から立てかけて屋根に登る。それから梯子を引っ張り上げて表に回そうと思ったけど、梯子にビビってイグコが逃げたら問題だ、と半分パニックの頭で考えて梯子は屋根の上に放置して(アホだよな、イグコを捕獲したあとどうするつもりだったんだろう自分)、とりあえずイグコに駆け寄った。
 イグコは私を見て首を傾げちゃったりして、ご機嫌〜〜な顔。でも寄ってくる気配はなし。掃除のおばさんが、表に出してたカメンコの餌から菜っ葉を一枚拾って、熊手に乗っけて渡してくれたので、それをイグコに差し出してみたけど、イグコは横のベンジャミンの葉っぱ(もう枯れてたし食べはしなかったけど)をかじってみたりして、嫌味なヤツやのう〜〜〜〜!
 うーん、どうしよう、と悩んでると、掃除のおばさんが隣の家政婦さんに声をかけて梯子を借りてくれた。それを持ってきて、すぐそこにあるヤシの木の幹に立てかける。私はそこに移って、イグコに手を伸ばす。うんこらしょ、と向きを変えて逃げようとするイグコ。こらこらこら、と尻尾の付け根をつかみ、切れませんようにと祈りながらお尻まで指をずらしていってがっちりつかんだ。
 片手でイグコのお尻あたりをつかんだまま梯子を下り(イグコは少し暴れたけど、意外と抵抗は少なかった、かな? そんな持ち方今までしたことないからわからんけど、この持ち方は案外悪くないのかも)、私の部屋まで入ってイグコを机のうえに放し、窓を閉めた。はーーーー。


 もう、ワンコが大興奮しちゃって(台所に久し振りのおしっこをしてしまうほど)、しかしワンコもなんかイグコに異変が起きたことは気が付いてただろうから、しょうがないか。
 イグコは部屋に戻ると、まあよくなじんだところだし、落ち着いた様子で、菜っ葉をやるとまあまあ食べて、そしてこれを書いている今、なんか中途半端なところでおとなしくなっちゃったな、と思ってたら眠いらしいw うとうと寝てる。
 脱走した水曜と昨日の木曜、どちらも夜中にけっこう大雨が降ったしね。捕獲したときはベンジャミンの上で日向ぼっこしたところで、体はポカポカ、黒ずむほどだったけど、夜とかあんまり安心して眠れなかったのかもしれない。


 何にしても、鳥(この辺サナテやセンソントレなど攻撃的なのが多い)や犬や猫やイグアナを食べたい人やブンブン走る車に出会わずに良かったよかったよかった。
 よその人が見つけて、うちに持ってきてくれるつもりであっても乱暴な捕獲したりしたら性格変わっちゃうかもとかって心配してたし、でも飼い主の責任としてポスターでもなんでも作ってガンガン探すべきか、でもそうするとたぶんグリーンイグアナとトゲオイグアナの区別がつかない(私も自分で飼い始めるまでつかなかったし)人たちが、そこらのイグアナをどんどこ捕まえて持ってきちゃうんじゃないか、と思うと踏み切れなかった。
 また、もし見つけてもぜんぜん届かないような高い木の上で、呼んでも呼んでも下りてこなくて泣き寝入りしかないとか、そこらで車に轢かれて無残な姿になってるのに遭遇するとか、いろんなシーンを想像してはガクブルだった。
 でも、こうして自分で発見できて、しかもちょうど協力してくれるおばさんがそばにいて、問題なく連れもどすことができて、本当に、考えうる限りで最善のシチュエーションだった。

 もうこれは、本当に皆さんの応援とお祈りが届いたものとしか思えません。今回のことを更なる反省材料として、これからイグコにもっと気を付けてやろうと思います。
 本当に、本当にありがとうございました!!!

帰宅後のイグコ

 帰ってきた証拠写真、じゃなくて記念写真?
 ちなみにダンナにはすぐに携帯メッセでイグコ帰ってきたーと知らせておいたんだが、昼ご飯に帰ってきたダンナ、私の部屋に行ってイグコを見て、台所で洗い物してる私のところに来て、「あれホントにイグコか?」だって! っっっったりめ〜〜〜〜じゃん! そりゃダンナは普段そんなにイグコを見てないからしょうがないけど、私はイグコのうろこ一枚一枚まで(てのは大げさだけどね)知ってるんだから。第一、どこのイグアナが部屋に入るなりパソコンのアダプタでお腹あっためて、私の手から菜っ葉食べるんだよ? ワンコが近付いても冷たい鼻がお腹にぺとっとつくまでじっとしてるんだよ?
 と、むきになって反論したけど、ダンナは、「だってイグアナなんて似たようなのがそこらにいっぱいいるし〜」とかヘラヘラ笑ってる。メキシコ人特有の、よくわからんジョークだったらしい。


 さて、帰宅後のイグコの写真。


 まずは全身像。尻尾も無事でよかった〜。



 ちょっと顔つきが精悍になってますか?



 鼻の先っぽすりむいてるねえ、と撮ってみたけど、やっぱ表情が野性味出てきた?
 傷が見えにくいので、もう一度アップで。


 うろことうろこのあいだに血がにじんでるけど、まあ大丈夫でしょ。



 菜っ葉をやればこのとおり、バリバリ食べる。



 ん〜〜、おいちいっ! と言ってるのかどうか?



 そのあと、こんなところでうつらうつら昼寝。まったくあんたは、取扱注意だよ。