南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

イグコの病気?

 正月からこっち、産卵や交尾が続いて浮かれてたけど、イグコの様子がちょっと本格的に心配になってきた。イグリンコと猫たちとの接触を避けるために、イグコも一緒に部屋に閉じ込める形になってたわけだけど、食欲が落ちてきてるのはこの時期まあ普通のことだからとあまり気にしてなかった。けど、去年もおととしも、この時期はこっちがノイローゼになりそうなくらい、家じゅうを歩き回って窓ガラスをキーキー引っかいたり床を掘ろうとしたり、落ち着きのないことおびただしかった。
 それが、今年はまったくなし。本棚のうえで寝て、お天気がよければ下りてきて窓辺で日向ぼっこ、そしてご飯も食べずトイレもせずに本棚のうえに戻る毎日。ご飯食べてないんだから、ウンチが出ないのはいいとしても、おしっこもしないってどういうことよ?(本棚のうえで少量やってて、私が気付いてない可能性もゼロではないけど……)何より、ウロウロしないの、おかしくない? お腹はもうパンパンに膨れ上がってるのに、産卵場所探さなくていいの?


 ここんとこ私の部屋に閉じ込めて、私が一緒にいる時間も短かったから、ちゃんと様子を見てやれてなかった。今日は反省して、じっくり観察することに。
 まずは本棚のてっぺんから抱き下ろして、寝室へ連れてった。ドアを閉めて、ワンコや猫たちに邪魔されず、イグリンコにも煩わされず、ゆっくりすごせるように。私も添い寝して、少しずつ抱き上げると、わりと抵抗なく私のお腹に乗ってあったまり始めた。

DSC07241

 万が一おしっこしたときのために毛布を下に敷いて、上からは下ろすときに使った上着をかぶせる。おとなしいイグコ。しばらくすると私のほうが暑くなってきたので、毛布をイグコに巻きつけるようにして、でもそれも必要ないくらい暖かくなってきたので、まあ半分添い寝状態。

DSC07246

 お腹はパツンパツンに膨れ、でも尻尾の付け根とか肋骨のあたりはうっすらと痩せてきている。まあこれも、この時期産卵するんだったら通常範囲内なんだけどねえ。
 抱いていて、どこかに痛みがあるとか、息が苦しそうとかいうことはなかったと思う。でもそれも当てにならないしなあ。


 でもそういえば、食べてないってことはイグコの場合、水分もまったく取ってないことになる、と思いついて、水入れに水を、それとシリンジで口元から入れてやろうとしたけど、拒絶。一滴くらいは入ったかも。でもそれで、あ、水だ、という感じでもなかった。


 卵詰まりは、ある程度産卵行動を起こしてからだと思うので、今回は当てはまらない気が。とはいえ、何らかの病気に加えて卵を抱えた状態、だとするとヤバいことになるかも……。
 考えられるのは、キャットフードを食べたことによる高タンパクからの腎不全とか。水分不足もあるかも。キャットフードは、去年の4月に初めて食べて以来、気を付けていてもついうっかり、で5,6回食べてしまっている。そのうち2回くらいはけっこうがっつり入ってたのを空っぽに……。
 しかもイグコって水を飲まないんだよねー。普段は餌から水分取れてると思うんだけど、足りてなかったかも。
 本を読み漁ると、高タンパクや水分不足で「痛風(Gicht(独)、gout(英)、gota(西))」になることがあると。尿酸が血中や体内に蓄積するんだけど、関節に溜まるといわゆる痛風で、腎臓に溜まる場合や、その他の内臓に溜まる場合もあると。症状としては、関節の場合はそこが腫れたりするけど、イグコはそれはないと思う。でもぐったりして動かなくなるというのは当てはまっている。肌は……どうだろう、つやを失ったり荒れたりしてる感じはないけど。


 とりあえず、血液検査ができるかどうか獣医さんに電話して訊いてみた。午前中は獣医さんいなくて、助手の女医さんが「無理です」との返事。いつもの先生は往診中だったので、午後にやっぱり必要だと思ってもう一度かけたら、さすがにちゃんと対応してくれた。
 問題は、その1、採血方法、その2、ラボが検査してくれるかどうか、その3、数値から何が読み取れるか。採血は、たぶん尻尾からだと思うけど調べてみる、と獣医さん。ラボは、たぶん尿酸、カルシウム、リン(私が頼んだ三つ)などは調べられると思うとのこと。数値の標準値は私の本に載ってます。それで異常が出れば、病気と確定するし、薬とかで対応できる、かも。
 血液検査の数値に異常がなければ、やっぱり卵詰まりか何かそっち方面で問題があるか、あるいはまったく問題がないか。レントゲンも撮れたらいいんだけど、この町では無理だしなあ。隣町まで連れていくのも負担がかかりそうだし、隣町の獣医さんはいまいち信頼してないし……(カメンコの診断に疑問ありだった)。


 午後に獣医さんに電話する前に、やっぱり産卵ケース、万が一イグコが急に卵産む気になったとき慌てなくて済むよう、用意しておこうと思い、大汗かきながら作業を。
 秘密兵器はこちら。

DSC07247

 去年の産卵で温度調整に苦労したあと、某イグアナブログさんで紹介されていたもの。おおお、これは!と思って、質問にも答えていただき、さっそく注文して入手しておいたのが、やっと出番だよー。床材の底に敷いて、埋めて使うもので、イグコが掘ってもひっくり返したりしなさそう、てことで、試してみる。

DSC07248

 まず、去年のケースを掃除しながら中の土をほとんど出す。底に2cmほど土を残して、モグリッチを設置し、温度計もこのために入手しておいたコードで外部気温を測れるやつ、そのコードもケースの隅に埋め込む。そして、土を戻し、追加で買っておいた土さらに一袋を部屋に運び込んで、ケースはほぼ満杯に。
 これでいつイグコが卵産みたくなっても大丈夫! ……その日が無事に来ますように(>_<、)


 午後5時半ごろ、やっと作業が終わって、寝室のイグコはもうクローゼットのうえに上がっちゃったかなーと、ドアを開けると。

DSC07252

 動いてない……。いや、ちょっとは向きを変えたりはしてるけどさ。それで決心して獣医さんに電話したわけ。そのあと、ちょっと撫でたりしても、数歩歩いたりはするんだけど、それだけで、すぐにまた動かなくなる。どこで寝かせようか、明日獣医さんが来たとき届かないところにいたら困るし、かといって猫たちにちょっかい出されても困るし……。
 で、引っ越しで必要になるかもってことで友人が不要になったキャリーケースをもらっていたのが、イグコならまあ何とか入れる大きさかな、と持ち出して、イグコを押し込んでみた。入った。尻尾を折り曲げることになるけど、まあまあかな。イグコも、入ってもおとなしくて(それがまた不安をあおる……)、なかで向きを変えたりはしていたけど、パニックになって出ようともがくとかいうことはまったくなし。なので、ベッドの横に置いて、毛布をかけて、明日までそこで寝てもらうことに。

交尾から産卵までの通常の様子

 さて、このイグコの行動が病気なのか、普通なのか。イグアナ本を全部(って言っても三冊だけど)引っ張り出してきて、もう一度丹念に読んでみた。


 分厚いほうのドイツ語本では、自然下のイグアナについて、

  • 排卵は交尾成功の5週間後に、産卵は排卵から3,4週間後に。排卵されたばかりの卵胞は直径20mm程度。
  • 排卵後は食欲が落ちる。
  • ベネズエラのイグアナ研究では、最初の交尾から平均7.5日(!)後に食事をやめ、その7週間後に産卵するまで何も食べない。(ここまで、p.105)


 イグコの最初の交尾は去年12月17日。それから18日20日と交尾を確認。そのあとも何度かしてしたかもしれない。
 でも、交尾が刺激になって排卵するわけではない。交尾しなくても卵産むんだから。イグコは去年は1月17日に、おととしは2月10日に産卵しているので、逆算すれば12月半ばか1月頭くらいには排卵していることに。とすれば、交尾の割とすぐあとから食を絶っていても、それはおかしくないか。でもそれならそれで、産卵場所を探して回るはず。 

  • 交尾から約一ヶ月後に、メスは産卵場所を探し始める。たいていは居住場所から0.1〜1.5km、場合によっては3km離れたところになる。(p.107)

 とはいうものの、飼育下では、

  • 一度産卵場所として受け入れられた場所は、次の年からもほぼ問題なく産卵に使われる。(p.251 f)

 とのことなので、産卵ケースの置き場所、今日もだいぶ悩んだけど、そのまま去年と同じ場所にしておいた。


 他の二冊もそれぞれ少し違った数値を出したりはしているけど、おおむね同じ記述。あと、病気についても丹念に読んだ。明日、獣医さんと話して、血液検査がうまく行くことを祈るばかり。

イグリンコは……

 今朝はイグリンコの目の前からイグコを拉致したんだが、そのときもそのあともおとなしく本棚のうえにいた。イグコと私が寝室に閉じこもるあいだは、何かあったらいかんので私の部屋のドアも閉めてたんだけど、途中で調べものをしにパソコン前に戻って、ドアは開けていた。そしたらニャンコとニャンリンが窓辺に来ていたらしい。イグリンコがズザザザ!と枝を伝って下りてきて、ニャンコは一瞬で部屋から逃亡、ニャンリンは私の机の下に。
 びっくりしたワンコが部屋に駆け込んできて、でも事態はいったん落ち着いていたので、なーんだ、何でもなかった?という顔で入り口をふさいで寝そべってしまい、ニャンリン出るに出られず。てか、出ようと思ってないみたいで、イグリンコが産卵ケースのうえにいるのに、またのそのそと窓のほうに近付くし! ちょっとは空気読め! と慌てて寄っていってニャンリンを抱き上げた瞬間……。
 前かがみになってた私の背中にイグリンコが飛び乗ってきたw ニャンリンを狙ったんだと思うけど、幸い私には噛みつかず、爪の傷もつけずだった。ペラペラのTシャツしか着てなかったのにね。もがくニャンリンを抱いたまま(ここで放せばよかったのかもだけど、どこに行くかわからなかったので)、ちょっと向きを変えてイグリンコを枝に下ろし、ニャンリンを部屋から連れ出してワンコも部屋から出して、やれやれ。
 オスイグアナの発情は、メスが排卵すると一気に沈静化するって書いてあった(p.105)けどなあ。