南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

イグリンコの視点

 イグリンコ、今日もできるだけ部屋に一緒にいて、寄ってくるときは拒まず抱っこ。目に見えて落ち着いてきた。ボビングの回数が減り、そのボビングも四肢を突っ張ってではなく普通の体勢でやることがほとんど。四肢を突っ張っての威嚇に近いボビングは、今日は3回くらいだったかな。私に抱っこしてもらう前(紛らわしいんだよなあ、これがw できればやめてほしい)と、窓際に置いたご飯に私が近付いたとき。というか、イグリンコがご飯のほうに行こうとして、私が先回りでそこに立っていたら、ためらいながら寄ってきて、背中おっ立てボビング尻尾ビシビシ。でもまあ、そのあとはおとなしくなったけど。


 今日の抱っこ写真。

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 右腕をがっつりホールドされたので、そのあいだ何もできなかったw しかも今日はけっこう長時間、と言っても30分くらいだったかなあ。ちょうど私もお腹空いてご飯食べたい時間だったから、長く感じた。ダンナは今日は勝手にご飯作って一人で食べてたから問題なかったけど。

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 イグリンコの体重、4キロくらいだと思うんだが、けっこうずっしりと重くて腕がしびれた。日中に一度、それから夕方、薄暗くなってからまた来て、少しだけ抱っこ。そのあと机のうえのタオルに寝そべって、前足を後ろに伸ばしてのリラックスポーズになったから笑った。そのままそこで寝る気? と思ったけど、結局またちゃんと本棚に上がっていった。

これまでの経緯、イグリンコ視点で考えてみた

 いろいろ思い返して、イグリンコの行動を解釈し直している。
 去年の発情期からイグコと一緒になって、でも発情ゆえの凶暴性というよりは、やっぱりニャンリンがあんまり私にべったりだったのが目障りで威嚇し始めたような気がする。そしてそれが(発情もあってエスカレートした可能性もあるけど)、ニャンコニャンタへと範囲拡大。
 それでもイグコと無事に交尾もでき、2月には産卵、イグリンコのほうは発情期も終わって、イグコへの興味が薄れ、また飼い主である私に「甘え」が出てきたころ、私はカメたちの産卵やら植物の植え替えやらでけっこう部屋を離れていた。その辺ですでにちょっと不満があったのかもしれない。
 はっきりと私への威嚇がことあるごとに始まったのは3月から4月。実は、4月は私、ずっとあれやこれやで体調が悪かった。どれも大したことはなかったんだけど、まずお腹を下して一週間。医者に行くべきか……と迷いつつ何とか薬で収まる程度のものだった。やっと普通のご飯を食べられるようになったと思ったら、今度は風邪を引いた。いつもなら二日で治るんだけど、このときは体力落ちてたんだろうな、また一週間。やっと治ったと思ったら、今度は膀胱炎になった。これは自力では治らないのですぐ医者に行って抗生物質を処方してもらったんだが、これが六日飲んでもぜんぜん効かず。別の医者に行って別の薬をもらって、やっと治ったのがさらに一週間後。その直後にモンテレイ行き。飛行機が大変すぎて膀胱炎再発、またまた別の薬でやっとこさ治った。
 で、寝込むほどじゃない(そのあいだ動物たちの世話も何とかやってたし、ブログも更新してたw)けど、やっぱり普段よりしんどいので、イグリンコの威嚇に付き合うのがめんどくて、部屋から逃避しがちだった。しかも合間にモンテレイに行ったりして、完全に留守にしたりもした。
 そういう疎遠な状態が続いたことも、イグリンコの不信と不満を悪化させたんじゃないかと思う。寄生虫問題もあったから、イグリンコのほうも体調と機嫌が悪かったのかもねえ。


 その後期、4月末に噛みつき事件。これはまあ、ニャンタにイラッとした直後、私も白いシャツを着てたw それでニャンタと間違えた、というわけではさすがにないと思うけど、まあついやっちゃった、って感じだったのかなあ。噛み傷もけっこう控えめだったしね。ただ、私のほうが、イグリンコは攻撃してくる、と思い込んでしまった。これも間違いのもとだったかも。


 その数日後、イグリンコを中庭に出してみた。このころはまだ普通に抱っことかできてた。けど、これもイグリンコにしてみたら、昔、孤独に暮らしていたところにまた閉め出された!と思ったんだろうな……。まあすぐに部屋に戻って、いちおうはほっとしただろうけど。


 でもこのころには、私への威嚇が日常化していた。制御法、とか書いてたけど、これもイグリンコにしてみたら、甘えたいのに拒絶されてる、でもまあしょうがないか……という感じだったのかも。
 そして、飛びかかってくるようになったのは、いつごろだっけ? でも思い出してみれば、イグリンコ、私によじ登るようにもなっていた。一回目は4月半ば、まだ威嚇が緩く、攻撃はなかったころ。しゃがんでいた私の背中に飛び乗ってきた。これ、前から飛びかかられていたらびっくりしてたと思う。でも背中だったから、普通に乗れてしまった。しばらくゆさゆさと馬に乗る気分で楽しかったのかもしれない。
 二回目は、噛みつき事件、中庭作戦失敗よりあとのこと。部屋を歩き回っていたイグリンコが、ちょっとしたはずみで私の肩に乗った。で、このときの記事で、こんな記述が(忘れてたけどw)。

爪も立てず、おとなしくしてるなあ、と思っていたんだが……。しばらくすると、いきなり口を開けてかぷっと私の右手を噛もうとした。攻撃というほどでもなく、たまたま見てたから避けることができたけど、そこからご機嫌斜めになる。

 これも、今思うと、拒絶されたと感じて不機嫌になったんだろうな。軽く噛むのって、前にカプッとやられた謎の噛みつき事件、あれはまったく攻撃でも何でもなくて、今思うと軽い求愛、愛情表現だったのかなあ。私にうろこがあれば、傷にもならなかった。
 で、この肩に乗ったときもそういう軽い気持ちで(愛情表現として)噛もうとしたら拒絶された。とイグリンコは思ったのか。


 でもとにかく、こうして私に乗る、という楽しみ?を覚えたのに、乗ろうとすると拒絶されることが続く。よし、それなら拒絶される前に勢いよく乗ろう! と飛びついたら、ぶっ飛ばされた! えええ〜! なんで!? ……とイグリンコは思ったのかもしれないw
 イグリンコ、たぶん自分が私にとって怖い存在になりうるとは思ってないんだろうな。だって私のほうがずっとずっと大きいし。でもイグリンコ、私にはうろこはないんだよ。軽くでも噛まれれば出血するし、あんたのうろこや爪が皮膚を引っかいても出血するんだよ……。勢いよく飛びつかれたらぎょっとする、豆腐メンタルなんだよw


 そして、裏庭作戦の失敗。これも、今考えるとたぶん解釈間違ってました。
 イグリンコとしては、抱っこされ、ちょっと怖いけど(微かにだけど息シューシュー言ってた)我慢して、下ろされた初めての場所。何だかわからないけど、とにかくしばらくは好奇心もあって行ったり来たり探検。でも飼い主の意図がわからないので、緊張もある。しかも暑い。もう、これ以上見るものもないし、部屋に戻りたい。おい、そこの飼い主、よじ登るぞ。部屋に連れて帰れ。と言いながらぶんぶんボビング、近寄っていったのに、飼い主は逃げる。おい、待て、登らせろって言ってるだろうが! とさらに追いかけると、タオルでガードして拒絶される。何なんだよ、こらー! と追い回すイグリンコと逃げる私、闘牛状態。
 ということだったのではないかと。というのは、ドイツ語のイグアナ本のコミュニケーションのところを読み直したりしていたら、「イグアナは新しいものや場所に好奇心を覚える。積極的に寄っていって匂いを嗅いだりしてチェックし、気が済んだら自分の居場所へと戻っていく」という記述があり。裏庭にいたイグリンコにとっては、戻れる自分の居場所=私、だったのでは。
 まあ結局タオルで捕獲して部屋に戻したから、イグリンコとしては戻るという目的は達成できたけど、私に対して言葉が通じなかった、拒絶された、という経験は痛かっただろうと思う。


 こういうことの繰り返しで、イグリンコのほうも私に近付きたいけど、また拒絶されるかも、ぶっ飛ばされるかも、と緊張するので事前に背中おっ立てボビングしてしまう。私はそれを見て、また攻撃かと思い、飛びかかられる(=寄ってこられる)と押しのけてしまう。の悪循環。
 ただ、このところ私のほうがイグリンコの威嚇(ボビング)を誘発しないよう、ゆっくり慎重に動いていたのを見て学んだ……と思うのはさすがに買いかぶりか? おととい、覚悟を決めた私にイグリンコが乗ってきたとき、ぶんぶんボビングしながらではあったけど(それも、怖くないよ、攻撃するんじゃないよ、とイグリンコは言ってるつもりだったのかもねえ?)、数歩寄ってきては止まり、少し様子を見て、そして私もいつものように拒絶はしないでじっと待っていたので、また少し近付き、というふうに私の胸まで登ってきたんだよね。だからこそ、登る最中のイグリンコの写真も撮れた。
 私の顎に顔をうずめたとき、ああ、やっと誤解が解けた……! とイグリンコは思ったかもね……。


 昨日と今日と、イグリンコは自分から私に抱っこしてもらいにやってくる。そのとき、事前にやっぱり四肢を突っ張ってボビングするけど、おとといよりは昨日、昨日よりは今日、そのボビングもおとなしくなり、そのあと緊張を解くまでの時間も短く、今日はほぼゼロだった。ボビング終了と同時に、お腹をペタン。
 もう拒絶されない、とはっきりわかれば、ボビングもなしで寄ってきてくれるようになることと思う。そうなるまで、毎日頑張る。
 抱っこしてるあいだにも、鼻先を押しつけてくることがあり、これをどう解釈すべきなのか、親愛のキスなのか、喧嘩売ってるのか、どっちだ!? と迷いつつも、押し返さず(それやるとたぶん喧嘩買っちゃう)、顎の下を撫でたりしてなだめてる。イグリンコの目つきや表情がほとんど見えないくらい顔間近にいるので、もし本当に攻撃されたら顔にかなりの噛み傷ができそうだけど、今はイグリンコを信頼してみようと思います。


 明日はまた掃除のおばさんが来るので、そのときどんな態度を取るか、ちょっとドキドキ。