片足イグアナを保護
サナちゃんたちがようやく手がかからなくなったと思ったら、今朝7時過ぎに隣の友人からヘルプコールが入る。「亀さん(仮名)助けてー! 死にかけのイグアナがうちの前にいるの!」というので、駆けつけた。
隣の家は歩道に面した部分はすべて鉄柵になってて、イグアナはそこから入り込んで玄関ドアの真ん前に倒れてた。
同じタイルだけどw、これ隣の家のポーチね。左後ろ足がない。最初それが原因で弱ってるのかと思った。床にはほんの少しだけ血が付いてた。猫にでもやられて、ここに逃げ込んだのかなあ。でも猫も、ここの鉄柵通れるんだよね、ニャンキジでそれは証明済み。でもとにかく生きてる。どうしよう。
適当なケージがなかったので、たらいに金網をかぶせて、そこへ入れてみた。捕まえるのは簡単で、素手で両脇持ったら、少し暴れたけど、尻尾も再生尾だから大して力ないし。
ぐったりしてる。
でも怪我は特になさそうだし(足もよく見れば傷口ふさがってるから、今回の原因じゃない?)、どうかな、ご飯食べてくれれば見込みあるかな、と菜っ葉とマンゴー5切れを入れてみた。
こうして頭を上げてると普通に元気そう。でもすぐにぐったりしたり。しばらくそっとして置いて、サナちゃんともども、たびたび様子見に行ってた。
だいぶ動き回るようになったな、と思って撮った動画。あとから改めて見ると、やっぱり動きがおかしいところもあるけど、このときは、まだショックでどこかに痛みもあるのかも、くらいに思ってた。
しきりと頭を掻こうとしてて、でも左足がないから、掻けない。
これも、足を失ったのはやっぱ最近なのかな、だから足がないことがわかってなかったり、そのせいで動きがぎこちないのかも、と思ってた。
マンゴーや菜っ葉の匂いも嗅いでいたので、そのうち食べてくれると思った。少し食べて元気になったら、川のところにあるジャングルに放しにいこうか、でも足がないと大変だろうから動物園で引き取ってもらえるか訊いてみようか、などと考えてた。
このときは本当に元気そうに見えてて、いっそこのまま庭に、とも考えたんだけど、サナテたちにいじめられそうだったのと、やっぱり足がないハンディを抱えているからもっと環境のいいところに、と思ってまだ放さずにいた。
右脇腹に古い引っかき傷があった。
でもこれももう治ってる傷だよな。
デュラップも、ごっそり噛みきられてた。
これはイグアナ同士の喧嘩によるものかなあ。おにぎり型になくなってるその輪郭、イグアナの口の形だよね。
先がなくなってる左足の付け根にも大きな傷跡。
でも、どれも治った傷のようだし、猫に襲われたとしても内臓にダメージ受けてなければ大丈夫かな。
家のなかから裏庭にトゲオイグアナ発見。
まだ小さいけど、尻尾も切れず、完全体。怪我がないって、すごいメリットだよね。と、今なら思えた。頑張れよー。
ところが、それからイグの様子を見に行くごとに、前足を後ろに突っ張って、就寝スタイルでいることが多くなってきた。寛いでるならいいことだけど……とちょっと不思議に思ってしばらく様子を見ていると、動くんだけど、前足が引きつったような動き。ときおり軽い痙攣。変だ。
と思ってたら、横転した。
この状態で止まってる。何が起こったのかわからなくて、しばらく観察してたけど動かないので、手で戻してみたら、戻った。けど明らかにおかしい。内臓にダメージか?
今日は朝からずっと薄曇りでじめじめと寒い感じだったので、温めてやった方がいいかと思って、タオルに包んで抱っこで温めてみた。痙攣っぽい感じでたまに大きく動くので、内臓にダメージあるなら動かないほうがいいというのも考えて、安静に。
そしたら、外のサナテがいくら騒いでも知らん顔のワンコが、私が何か抱っこしてると気付くと、興味津々。
イグよ、ごめんよ。でもワンコは何もしないからね。
そのあいだニャンコが何とかワンコの気を引こうとウロウロしてたんだけど、ついにニャンコもイグに気付く。
でもニャンコも何もしないからね。
ずーっと抱きっぱなしというわけにもいかないので、昼休みに帰宅したダンナを使って、蛍光灯ランプで保温ケージを作る。でも、猫たちが入るw
まあ思う存分チェックしたら、あとはイグに使わせてよね。と言いつつ、できる限りは抱っこしてた。それを賢そうな(賢いとは言わないが)思案気な表情で見つめるニャンコ。
でもすでにこの時点で、助からないだろうなとは思ってました。明らかに容体は悪化の一方。じわじわと弱っていってる。目ももしかしたら見えてないのか、どれほど指を近付けても閉じない。もしかしてさっきしきりと掻いていたのも、痒かったのではなくて見えなくなってきてたのか? こういう場合、体を温めないほうがいいのか、どっちなんだろう?
万が一の奇跡を期待する気持ちもあったけど、何しろ対応のしようがないので、どうにもならない。最後のほうは、私に抱かれているのも落ち着かないかと思って、たらいに入れてやったけど、それも猫たちがちょっかい出すので、それをガードするのが大変、そっちのほうが落ち着かないかとまた抱いてやったり……。
でももう希望はないなと思って、外のたらいをきれいにしてタオル敷いて、その中に寝かせ、上から軽く小さいタオルをかけて置いておきました。10分置きくらいに見に行って、6時ごろだったかな、小さく舌を出して死んでました。
内臓にダメージ喰らってた可能性もあるけど、毒を食べてしまったような感じでもあった。毒だと思えば、四肢から麻痺して目が見えなくなってたようなのも説明がつくし。でもドイツで死んだセキセイインコも、獣医の注射による内臓出血だったけど、足が麻痺してたけどね……。
解剖はカメと違って私の持ってる道具でもできると思ったけど、まあやめておきます。明日、裏庭に埋葬します。
助かるものなら一週間二週間かかっても看病するつもりでいたけど、残念な結果になってしまったなあ。私にとっては、いつか来たるべき日、イグコやイグリンコを看取るときの予行演習として貴重な体験させてもらったと思う。片足イグちゃん、ありがとう。
ついでに、まだ書いてなかったと思うけど、一ヵ月ほど前だったか、3軒向こうの家の奥さんと子供たちがやってきて、イグアナ飼ってますよね?と言う(子供らがたびたび遊びに来て、そんな話もしてたので)。はい、と言うと、そのうちの裏庭にでっかいイグアナが来てるんだけど、と。え、うちのイグリンコじゃないですよ、裏にちゃんといるし。
そしたら、もう何日もいて、裏庭には食べるものないと思うし、何をやればいいんでしょう? と言う。菜っ葉とか、果物も好きだし、と教えたら、リンゴやったけど食べないんです。うーん、リンゴはあんまり人気ないですね、今ならパパイヤとかメロンのほうが。
という話をしたんだが、あとからいろいろいろいろ心配になって(オレンジ色だと言うからオスだろうし、だったら発情期でそもそも食べないかもだし、うっかり近付いて尻尾鞭喰らったり噛まれたり……etc)、その家まで押しかけ、裏庭に行かせてもらった。
イグリンコより一回りは小さいけど立派なオス。見ると、そこらに生えてる雑草に食った形跡あり。高い塀で四方囲まれていて、一軒向こうの家の裏に大きな木が生えていたので、その辺から何かに追われたか喧嘩の最中に転落し、出られなくなったんじゃないかな。ということを話して、長いハシゴがあれば壁に立てかけて様子を見て、自力で脱出するならそれがいちばん。ダメなようならまた言ってください。タオルかぶせて捕まえて、外に逃がしましょう。
と言って帰ったんだけど、翌日にはハシゴ伝って出ていったとのことで、これは良かった。
こないだ獣医さん(奥さん亡くなって独り暮らしになった)を食事に誘ってレストランに行ったんだけど、そのとき聞いた話では、獣医さんのクライアントのひとり(おばあさん)があるとき電話かけてきて、「どうしましょう、私ったらとんでもないことしちゃって。とにかく来てください」と言うので、なんだなんだと駆けつけたら、イグリンコよりちょっと小さいくらいのイグアナが怪我してたのを保護したんだと……。そのおばあさん紹介してください、お友達になりたいですw
でもそのイグアナ、犬にでもやられたのか車に轢かれたのか、背骨折れてるし、他にも治しようがない重傷箇所複数だったので、結局安楽死させたとのこと。うーん、しょうがないよね。
その話を聞いていたので、今日の片足イグはそこまでひどくないと思ったんだがなあ……。まあ、いろいろあるよね。
とりあえず、今週はドタバタな一週間でした……。