アブラナ科の危険性に関する化学的根拠
ルッコラを調べていたら、赤血球溶解する成分(アリルイソチオシアネート)も含んでいるとかいう話もあり、そこからいろいろ出てきたので、別記事にしておきます。
これまではいろいろなところで
ということは読んでいたが、その誘発物質が何なのか、などは知らなかった。
アリルイソチオシアネートについて調べると、
「イソチオシアネートは刺激性が強く,多量に摂取すると中毒の原因」
「アリルイソチオシアネートのラットに対するLD50は,339mg/kg(経口)」
「体重30kgのジャージー子牛に10%アリルイソチオシアネート水溶液15mlを経口投与したところ,5時間後に死亡した」
という記述発見。このページの説明をまとめると、
シニグリン(sinigrin)(=からし油配糖体(グルコシノレート; glucosinolate))+同じ植物内に含まれる酵素(ミロシナーゼ; myrosinase)→加水分解→アグリコン; aglycone→Lossen転移→イソチオシアネート(isothiocyanate)
シニグリンからはアリルイソチオシアネート(allyl isothiocyanate)→甲状腺腫
赤血球云々より、アブラナ科の甲状腺腫誘発物質ってこのことか。うーん、50gのリクガメには17mgが半数致死量ってことか。
こちらのpdf文書では(2)でアブラナ科のイソチオシアネートについて、化学式と甲状腺腫、そして溶血性貧血を起こすことにも言及。
さらについでに、メキャベツがどうしてアブラナ科の中でもリクガメの餌に適しないかの説明を発見。
progoitrin自体は甲状腺肥大を起こさないが、植物組織を細断したり擂り潰したりすると植物細胞内にある酵素ミロシナーゼ(myrosinase)がprogoitrinを分解し、辛味物質とともにを作る。このgoitrinが甲状腺腫を起こすとされている。goitrin はかなり強力な甲状腺腫誘導物質で、他の甲状腺腫誘導物質はヨウ素の摂取で予防できるとされるが、goitrinはヨウ素の添加でも甲状腺腫発生作用抑制できないとされている。ただし、栽培品種の改良により食糧用や飼料用のアブラナ属植物のprogoitrin量はあまり問題とならないまで低くなっているとされる。cabbage、broccoli、芽キャベツ(sprout)について、芽キャベツを除き、progoitrin量含量は低くてあまり問題にならないとされている。
代表的アブラナ属植物中のglucosinolate量(mg/100g)
goitrin glucobrassicin cabbage 3.8(0.8-12.6) 29.5(4.5-97.1) caulflower 2.3(0.0-10.1) 22.7(6.6-78.9) sprout 47.8(12.5-129.6) 47.8(12.5-129.6)