南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

「トンデモ」と称されたワンコ

 ハチュブログだと思って見に来てるのに〜、という読者のかた、すみません。ワンコブログになっちゃってます。今日は気温めっちゃ低かったけど(朝なんて16度!)、日はそこそこ射したので、みんな動いてたんだけど、ネタにするほどでもなかったんで……。
 連載って、私、読むのすごい苦手で(せっかちなので、続きが読めないとイライラする)、ましてや自分で書いたことなんかないんだけど、いちおう今のところ、手探り模索しながらではあるけど、何となく道筋つけて書いてきてる気がするので、このまましばらく話を続けたいと思います。


 というわけで、今日はうちの前のワンコ、故ワンコ、昨日書いたように、ニキータとか言われたアキータ犬のワンコの話。
 そもそも秋田犬(大型犬)はしつけないと大変なことになる!!! という刷り込みが深〜〜くされていた私。なのに、ついついうかうか秋田犬を飼うことになってしまった……。ダンナは、訓練学校があるんだから(売り手なんだから)大丈夫大丈夫、って言うけど……。
 とにかく対面して購入を決め、その場はいったん別れて帰宅。私たちはお金を用意し、向こうはワンコをきれいに洗って夕方連れていきますということに。で、待ってたらお兄さんたちが連れてきてくれたんだけど。はい、って家の床に下ろされたとたん、ぴゅーーーーーっと部屋を一周して台所に駆け込み、冷蔵庫の横に置いてた猫(当時5歳)のフードをベロンベロンと舐めつくして、お皿をからんからん〜♪といい音させ、まだどぴゅーーーーーーーっと走り出して裏庭(ドアは開いてた)に出ると、ウンチー。ウンチが終わると、また走る走る走る。
 もうどうにもならないので、お金を払って、いろいろ注意事項とか教えてもらって、お兄さんたちは帰っていった。


 それから三日くらい、ワンコの顔をじっくり見るのって寝てるときだけだった。起きると、黒い弾丸のようにひたすら走り回る。いやもう、大変だよ、これ。
 猫は初対面で当然のことながらフーッと背中を丸めて威嚇。ワンコのほうはこの最初こそびっくりして後じさり、キャンッ!と吠えてみたものの、あとはもう遠慮がなくなって、遊びたくて遊びたくて仕方がない。けど、大きさではほぼ互角かワンコのほうがすでにやや大きめ。これまでずっと静かな一人っ子生活をしてきた猫にとっては、ウザいことこのうえなし。
 まあそれでも、一部屋を猫だけが出入りできるよう、柵を特注して作ってもらって入り口に立て、猫が静かにしたいときはそこに入ればいいように。これで最初はしのいで、最終的には普通に仲良くなれたんだけどねー。


 私はといえば、当時のパソコンが(←書き足しましたw)すでに日本語の読み書きはできるようになっていたので、ネットで犬のしつけについてノイローゼになるほどいろいろ調べて読んだり、掲示板でもいろんな人と交流して悩みを聞いてもらったりした。
 で、当時(今でも?)流通していた「アルファシンドローム」なる概念に、私も洗脳されて、そうならないためにとあれこれあれこれ……。今思うと、アホだったなあと思うけど、当時は必死だったのよ……。


 とにかく、まずは自分(たち)の生活を確保するため、ワンコが寝ているときは1秒でも長く寝かせるよう、物音をたてない、動きはすべてゆっくりと。少しでも手をヒュッと動かしたりすると、もうそれだけでワンコが飛び起きて、遊ぶ?遊ぶ?遊ぶ?ねーーー遊ぶーーーーー! となるからね……。
 それから2時間ごととかだったかな、遊ぶ時間をきっちり決めて、その時間になると力いっぱい遊んでやる。それ以外はどんなに飛びついてこようと噛みついてこようと、無視。ということを徹底した。
 ゴミ箱からの盗み食いは何度かやられ、ゴミ箱を変え、置き場所を変えて対応。まあこれはそのうちやらなくなった。命に係わる電線ケーブルについては、幸いなことに、かなり初期にはしゃぐワンコが扇風機のケーブルに足をひっかけ、扇風機がワンコのうえに倒れ込んでいったことがあった。私、運動神経はぜんっぜんよくないんだけど、このときだけは偶然よい位置に立っていて、倒れ込む扇風機を間際でキャッチ。ワンコはそれがよほど怖かったらしくて、それ以来ケーブルにはぜったい近付かず、踏んだり足を引っかけたりしないよう、よくよく用心して歩くようになりましたとさ。


 あとは……トイレは根気よく、裏庭の土の部分でやるように教えたらまあできるようになったし(それでも3週間くらいかかったと思う)、お座り、お手、おかわり、伏せ、もご飯のときに根気よく教えてできるようになった。
 ワンコを売ってくれた訓練学校のお兄ちゃんたちにも、訓練してもらえるよう頼んで、最初のコースにはお座りや伏せも入ってたんだけど、まあそれはもうできるし、あとは脚側歩行と待てを教えてもらうことに。
 その話をしに行ったとき、言われた。「へえー、前は「トンデモ」ない犬だったけど、ずいぶん落ち着きましたねー」って。
 そーかそーか、そんなとんでもない犬をうちに売ってくれたんかいッ!(`ε´) と思ったけど、口には出さなかったけどね。百戦錬磨であろう訓練士さんがそう言うんだから、このワンコ、相当トンデモない犬だったようですw
 まあ実際、今のワンコが来たときの楽チンさには拍子抜けしたくらいだったからねー。今のワンコも、フリオ兄ちゃんは「兄弟犬たちのなかでいちばん気が強い子です!(キリッ」って言ってたけど、え、どこが? って感じ。まあでも「お宅なら大丈夫でしょう、落ち着いた環境だし、犬はしつけによっていくらでも変わりますからね」って言われたんだけど、これってきっと前のワンコのことを覚えてての発言だと思っていいですかね?w


 そしてしつけ初級コースを何とか無事卒業し、中級コース(ノーリードでも散歩できるレベル)もお願いしますって言ったら、「いやいや、この子はそんなしつけしなくても大丈夫だから!」とか適当なこと言われて……ていよく断わられたw きっと、うちのワンコをそのレベルに仕上げる自信がなかったに違いない、と私は今でも思ってますよ、はいw
 脚側歩行は何とかできるようになってはいたものの、チョークチェーンをつけていればの話、そしてよその犬がガウガウ言ってこようものなら(そしてなぜか、必ずガウられた、うちの故ワンコ)、えーーー何怒ってるのーーー、そんなことより遊ぼうよーーーー! と暴れるうちのワンコ。傍目には、大型犬(よくオオカミと間違えられた)が襲おうとしているようにしか見えないから、やめなさいッ! とこっちも必死。
 そんな散歩だったから、私は常に両手をフリーにしてリードのみを握りしめ、敏腕スナイパーのごとく周囲に常に鋭い視線を走らせ、うっかりノーリードの犬でもいようものなら素早く方向転換して立ち去る、時すでに遅くしてどちらかの犬が相手に気付いてしまったならば、どんな衝撃にも耐えうるよう腰に力を入れて踏ん張る体勢を、って、いうね、たかが体重28kgのワンコ(と今なら言えるんだけど、当時は本当に大変だったのよ)にどんだけ苦労したことか……。
 そんな力の強い大型犬なら、ダンナにリード持たせればいいじゃない、って言われるかもしれませんが、無理無理無理。力の面ではそりゃあダンナのほうがマシだったろうけど、周囲への注意力とかゼロだから! というわけでダンナはウンチ袋持ち、ウンチ拾い係、そしてよその犬が吠えかかってきたときのガードマンw という役割分担だった。まあそれで、長年のうちにはうまく行ってたしねー。


 とにかくまあ、悪い子では決してなかったんだけど、うちの故ワンコ、かなり上位のハイパーテンションワンコに属していたと思う。初めて自力でしつけて飼うワンコ、初めての大型犬としては、強烈な体験させてもらったんだろうなあ。当時はそんなこと知らなくて、ただただ毎日必死だったけど。
 そんななかで、ひとつ、プロの訓練士さんに誉めてもらったことがあった。ある掲示板で(今はもう残ってないと思うけど)のやり取りで、私は「飼い主といえども犬の気持ちを否定してはいけないと思うんです」と発言した。犬の問題行動についてね。で、当然だけど、数人いた訓練士さんのなかでも私がいちばん尊敬していた人から反論が入る。「いやいや、人間社会で犬が生きていくためには否定しなきゃいけない(=ダメと教えなきゃいけない)ことは確実にありますよ」と。
 でも私の言いたいのはちょっと違うことだった。「たとえば飼い主が帰ってきて嬉しい、という犬の『気持ち』は否定しちゃいけないと思うんです。でも嬉しいからといって飛びつく、という『行為』は否定しなきゃいけない。この二つを区別して犬にわからせるのはとても難しいけど……」というようなことね。んで、誉められたw そのとおりですね、そんなふうに考えたことなかった、うちのホームページにも書いていいですか、とまで。もちろん了承しましたよー。まあ実際に書いてもらえたかまで確認しなかったし、今も残って……るとすごく嬉しいけどなあw
 飼い主が帰ってきたら嬉しいなんていう犬の気持ちはごくごく自然で当たり前のものなのに、それを犬が飛びつくからと叱ったり邪険にしたりするのは、なんか間違ってる気がするんだよね。たとえ、ロンのように妊婦の奥さんを押し倒してしまうような事故があったとしても、そのときのロンの「気持ち」を考えると……。まあ世の中人間第一で、犬コロはその2その3だろうから、私のような意見は通用しないんでしょうが……その妊婦が私だったなら、私の思うとおりのことを言えるけど、私じゃない人についてはね、やっぱ言えないですけどね(そういうことが起きる前にしつけて(教えて)おいてほしかったってのは言いたいけど)。


 それともうひとつ。前のワンコとの暮らしのなかで気付いたこと。最初の一年、一年半、もしかしたらもっとかもしれない、私はずっとワンコの引っ張り癖に悩んでた。何しろ散歩のときの緊張感というかね、ただものじゃなかったしねw それと、流布する例のアルファシンドローム対処法にもしっかり惑わされていた。人間より先に歩かせたらダメだと信じてたw そういうことを許すと、いざってときのこちらの制止にも反抗して大変なことになると思ってた。
 でもあるとき、ふっと気付いた。ワンコが引っ張る引っ張るって文句言ってるけど、引っ張ってんの、私じゃないの?って。んで、リードを緩めてみたら、ワンコ、引っ張らなかったw ま、よその犬にガウられないあいだは、だけどね。
 それで、もう前を歩いてもいいことにして、リードの届く範囲なら好きにしていいよっていう散歩にしたら、すごーーく楽になった。まあスナイパーのごとく四方八方に目を配り、警戒怠りなく、ってのは続けていたけどw


 このリードの一件から、アルファシンドロームをうるさく提唱する犬のしつけに疑問を抱き始めたんだったかな。そのころにはうちの故ワンコももうだいぶ大人になってたし(それでもテンションは相変わらず高かったけど)、それまでいろいろいっぱい頑張った成果???かもしれないけど、普通に毎日楽しく暮らせていた。
 で、今のワンコがうちに来たときは、私の犬のしつけに対する考えは前のワンコのときとだーーいぶ変わっていたわけです。しかも、兄弟犬のなかでいちばん気が強いとまで言われた今のワンコ、実際に接してみたら……前のワンコとぜんぜん性格違うし。
 そこで、アルファシンドロームなんてまったく無視した育て方をしたけど、まあたまたまだろうけど、今のワンコにはこれがうまく行った様子なのですよね。秋田犬なんだけどねw


 前のワンコの「トンデモ」エピソードも(まだまだ)いっぱいあるので、またそんな話も織り交ぜつつ、続きはまた今度〜。毎度長くなってごめんなさい。