南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

上下関係より信頼関係を

 今日は、私の数少なくしかも限られたワンコ飼育経験から、あくまで私個人が心がけたいと思っている二点について。

  • 上下関係より信頼関係を
  • リードは拘束具にあらず

 について語ろうと思います(リードについては後日となりました)。
 これまでお話したとおり、私が「自分で飼った」と言える犬はたったの二頭、どっちもアメリカンアキタでしかもメス。まあメスのほうがドミナント(性格きつめ)だよ、と言われたこともありますけどね……。
 犬のしつけのときによく言われるアルファシンドローム、アルファ個体ってのはもともとはオオカミの群れの研究から出てきた概念のようですが、オオカミに関する本を読むと、群れのアルファになるのは年老いたメスオオカミ(群れの頭脳の役割、そして力のある若いオスがベータになる)ということを踏まえれば、確かにオスよりメスのほうがアルファになりやすい??? 


 むしろ小型犬のほうが気が強いのが多いというか、なんでちびこいのに、わざわざうちのでっかいのに喧嘩売りに来るのか、その辺が私にはよくわからないw 友人のチビワンコをうちで預かったとき、一緒に散歩させているとチビワンコがやはりよその犬に吠えかかってしまって、うーん、小さいからこそ不安というか焦りを感じて吠えてしまうのかなあ、と少しは気持ちがわかるような気もしたんだけど……。吠えられる側に戻ってみると、やっぱりわからねえw
 で、小型犬を飼ったことは一度もないし、私が偉そうに言えることでもないけど、飼い主さんがたとえ一度として間違った扱いをしたことがなくてもやっぱり吠えまくる犬ってのはいるんだろうなあ、とは思う。だけど、世の中のああいう犬の何割くらいが、もっと違う扱いを受けていたら穏やかなワンコになれたのかなあ、というところはちょっと知りたい、と思ったりもするわけです。
 そういう意味で、少なくとも自分が飼い主として(犬だけではなく、その他のどんな動物に対しても言えることかも)心したいことを、自分に言い聞かせる意味も含めて書いてみます。

上下関係より信頼関係を

 これ、私自身が前のワンコで失敗したことなんだけど。しつこいようですが、秋田犬は大変! と思ってたから、まだ小さい仔犬のころにしっかり「上下関係」をわからせて、大きくなっても私の言うことをちゃんと聞く犬にしなければ! という焦りがものすごくあった。何しろ自分で見聞きした秋田犬体験だけじゃなく、ネットで秋田犬を検索すれば、怖い話はいっくらでも出てくるもんねー。その、大変なことをしでかしてしまった秋田犬が10頭20頭50頭いるとしても、世界中に生きている何万? 何十万?頭の秋田犬の数から見ればごくわずかなんだろうけど。
 でも、確率の問題ではない、ってのは今でも思っている。自分の犬が事故を起こして人様を、あるいはよそのワンコを傷つけてしまったら、それは世界中の秋田犬の何万分の一じゃなくて、自分と自分の犬にとって100%の現実。絶対、というものはないとしても、とにかく全力で阻止すべきもの。


 だけどそのために必要なのは上下関係じゃなくて、信頼関係なのだと今は思っているわけです。オス犬だとまた違うのかもしれないし、犬の性格によってもそういうのが通用しないワンコもいるのかも、というか、いるんだろうな。信頼関係? 何それおいしいの? っていうワンコだって、そりゃいるだろう。
 でも、人類と何万年?の友人関係を築いてきた犬(と猫もだと思う)は、基本的には、飼い主さん大好きでかわいがってほしいと思っているんじゃないだろうか。
 だから、犬を飼い始めたからといって、ご飯は人間が先とか、散歩のときも人間より前を歩かせるなとか、遊びたがっても言いなりになってはいけないとか、自分で規制をいっぱい作ってがんじがらめになるよりも(あーいててて、耳が痛いw)、思う存分かわいがって愛情をかけてやるほうがずっといい、と思う。
 とはいっても、「甘やかす」と「かわいがる」の区別も微妙だったりする。私はそもそもあんまり愛情深い人間じゃないようで、甘やかすってことはないような気がするけど、たぶん世の中には子供でもワンコでもかわいがりすぎて甘やかしちゃう人がいるんだろうなあ。たぶんダメなものはダメ、とバシッと言えるかどうか? うーんその辺私にはよくわからないので、パスして、とw


 とにかくまずは、愛情をかけてやれば、犬のほうだってわかってくれて、それで何かがあったとき飼い主が「こうしてほしい」と伝えれば、ワンコは自由意志でもって(ここ重要ね)それをやってくれるようになる、と思うのです。そのとき、強要しないことも大事だと思う。強要はしないけど、強く根気よくお願いはするw
 ちょっとまた話がそれるけど、私はけっこうイラチ(短気)なので、相手によっては力を行使しちゃうこと、あるんです。ちょっと掃除するからどいて、とか。イグリンコの場合、根っからの野生動物であること、すでにかなりの大きさであること、イグアナという当時の私にとって魅力ある、けど未知に近い動物だったこと、などが重なって、力でどうこうしようとはまったく思わなかった。でも、チビだったイグコには、何度かやっちゃった。掃除するからそこどいて、って。あれをやってなかったら、イグコは今ごろベタ馴れになってたんだろうか? それともやっぱり今と大して変わらなかったか? タイムマシンがないと、わかんないよねそんなことw 
 小さい犬とか、猫なんかでも、何かで汚れてしまって、あーあーもうー、と言いながら洗ったりするとき、押さえつけてやってしまう、ってのはわりとあるんじゃないかと。もちろん病気で注射とか、ワクチン注射で押さえなきゃいけない場合もあると思う。でも、前に書いたように、うちの前のワンコみたいに注射自体ではなく押さえつけられることに抵抗する犬もいるわけで。
 それともちろん、犬や猫は飼い主の気分を敏感にキャッチするから、飼い主が苛立って押さえつけたら怖いよね。そうじゃなくて、シャンプーするからね、痛くないからね、とか、注射しないといけないけど怖くないよ、とか、そういう気持ちで(あるいは言葉をかけて)押さえれば、ワンコも怖くても我慢しようと思ってくれる、よね?


 なんか、当たり前のことばっかりグダグダ書いてる気がしてきましたw


 でもとにかく、私が自分に言い聞かせたいことw たとえ人間が軽く力で押さえつけられるサイズの動物だったとしても、そういうサイズだからこそ(そして大型犬やフルアダルトのイグアナでも人間よりはずいぶん小さい)、押さえつけられれば怖い。「怖がらせない」ってのが基本中の基本だよね、ってこと。
 あーやっぱ当たり前かw 
 いやでも考えたら、ダンナは今でもけっこうニャンコを無理やり抱っことかしてるしなー。もちろん愛情から来る行為ではあるんだけど、嫌がってるからやめい! と言うんだけど、ヘラヘラ笑ってるし。
 ちょっとだけ、なら私もやります。ワンコの耳をあっちー、こっちー、とか引っ張ったり(痛くない程度にね)。「からかう」って言うのかな。それが行き過ぎると「嫌がらせ」になり(ダンナのニャンコ抱っこはからかいと嫌がらせの中間くらい?)、常習化して「いじめ」になる? あ、なんか難しいほうに話が行ってしまいそう……。


 でもそういう「怖がらせない」「嫌がらせない」ってのは、相手を一個の生物として尊重していればわかる、ことのはず。言葉では「いや」と言えない動物でも、態度や表情で言うんだから。でも、巷で多発しているイジメとかの話を見ていると、その「尊重」ができない人がどれだけ多いかってことなんだろうなあ……。


 やっぱり長くなったので、リードの話はまた明日にでも。
 それと、やっぱり「愛情があればなんて甘っちょろいこと言って秋田犬なんてあぶねーの飼ってるんじゃねーよ、そのうち足元すくわれるぞ」てなご意見もあると思う。てか、私の心のなかにもちょっとあるw 秋田犬の事故の話は、ほんっとによく聞くもんね。ただ、そういうのって、本当に避けきれなかった、飼い主さんにも予測も回避もできないような事故だったんだろうか? その犬のこと、その事故の状況を自分で見てないから、何とも言えないってのも正直なところ。
 今のワンコはかなり洋犬の血が混じっているようで性格が日本犬っぽくないし、まだ2歳だからってのもあるかもだけど、今まで事故はもちろん、事故になりそうだったこともまだ一度もないけど、前のワンコは性格はけっこう日本犬だったから、何度かヒヤッとしたことはあった。そんな話もまた書きます。