都会の隅で食われる虫
いや、やっぱりメキシコシティは面白い。思いがけずこのブログでも取り上げられるネタ発見。
泊まってるホテルは革命モニュメントの近く。
こんなおしゃれなレストランも、さすが都会だなー、と田舎者は思う。
ダンナは一泊で帰宅する予定が、手術するならやっぱり一緒にいないとってことで急遽会社の休みも延長して、着替えが足りないのでシャツを買いに入ったお店も、いい感じの服がいっぱいあって、男物ばっかなんだけど、私もほしいくらいw でもまあ私はぎりぎり何とか着替えは間に合うからと、ダンナがズボンとか試着してるあいだ店内をぶらぶら。そしたら……こんなもの発見。
見えるかな? おしゃれな服がずらっと並ぶ店内のカウンターに、虫の入ったケース。なにこれ?
あー、うちのコオロギケースにこんなやつ湧いてるわーw うちのはもうちょい小さいけど。これは3mmくらい。うじゃうじゃ。なんでこんなものが服屋さんに???
好奇心押さえきれず、店員さんに訊いてみた。そしたら、gorgojos chinoだという。チュウゴクゾウムシ?
で、なんでそれが服屋さんに? 生地につく虫を追い払う成分を出すとか(むしろこいつらが生地を食べそうだが……)? 糸を出してそれで服を作るとか?
と思いつつ、何のために飼ってるんですかと尋ねたら、衝撃の答えが……!
生きたまま食べるんです、って……!!!!!
なんで? 何のために? と訊けば、いろんな病気に効くんですと言う……。いろんなってどんな? えー、糖尿とか……。
なんかもう衝撃的すぎて、だからなんでそんなものがこの店に、ってところまで追及できず。確かにケースの横には大きなスプーンと深皿とコップが置いてあった……。そしてケースには小さい紙が貼ってあって、月曜21火曜20水曜19……ってふうに数字が書いてあった。まさかと思うけど、生まれた数?とか思ってたんだけど。
ホテルに戻ってから検索してみると、学名は Ulomoides dermestoides。この虫自体の和名はなさそうだけど、ゴミムシダマシ科らしい。あー、ミルワームの親と親戚か。
で、どうもメキシコ?ラテンアメリカ?でそういう話が出回ってるらしくて、けっこうな数の記事がヒット。それによると、この虫を食べると、お腹のなかで死んである物質を出し、それが様々な病気を治すという……。癌、糖尿病、パーキンソン、喘息、etc., etc.……
もちろんそんなのは迷信だと書いている記事もあり、それによると、最初にその話を広めた人の母親が、完治がむつかしいと言われた乳癌(!!! なんてタイムリーw)で、ふとしたソースから聞いたこの虫を物は試しと食べてみた。一日目は1匹、二日目は2匹、と数を増やしていって、70日目には効果が出始め、140日目には検査をしたら癌が治ってた! という……。
私も食べてみるか……。……って、いやいやいや、いくら私が変な虫が好きでも、それとこれは別ですってw
メキシコって本当に、最先端医学とこんな怪しげな民間療法が併存してるんだよねー。何車線もある大通りを車と一緒に、馬車がぱっかぱっか通ってたりねw ほんと、面白いところです。