南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

ワンコは股関節形成不全

 あまり楽しい話じゃないので、気が進まないけど、いちおう書いておきますか。今日は長文で、写真あんまりなくてごめんなさい。


 うちのワンコ、普段からあまり散歩に行きたがらない、というか行きたがるんだけどすぐに帰りたがるというか。それが今年の10月ごろからエスカレートして、ちょっとその辺でウンチしたらもう帰ろうとする。最初は、私が散歩に行けなかったあいだにダンナがそういうサボり散歩の癖をつけたからだと思ってたんだけど、どうも後ろ脚がおかしいんじゃないか?
 そもそも大型犬だし、前のワンコに比べてもあまりにぐんぐん育つので、股関節形成不全の心配はしていた。仔犬のころにも一度、かかりつけの獣医さんに相談したことがあるんだけど、歩く様子を見て、あー大丈夫大丈夫、と言う。形成不全だったら、いつもびっこ引きますよ、と獣医さんは主張。そうなのかなー、とそのときは思った。
 大人になってからも、やっぱりたまに歩き方がおかしいことがあって、どこか痛めたのかなとか思って相談したことあるんだけど、そのときは食欲もあまりなくて……ってそっちが主眼だったのに、太りすぎです!って言われ……。いやいや、洋犬じゃないのよ、いちおう秋田犬なんだから、太ってないよ、むしろ痩せてるよ、と思ったけど……。
 で、10月くらいから散歩の途中で座り込んだりするようになり(前もそれはあったけど、もっと頻繁に)、一度はうちでお腹を出してゴロゴロするワンコを撫でてて、後ろ脚をひょいと1cmくらい動かしたら、ヒンッ!と泣き声を上げた。


 これは絶対おかしいよなあ、と思いつつ、それから三週間留守にしたりして、帰ってきてからやっと獣医さんに相談した。寝転がるワンコの右後ろ脚を屈伸運動させて、なんともないです!と言い切る獣医さん。あの〜、左は?(私が触って泣いたのは左と言うておろうが) 左も屈伸運動したら、やっぱり痛がる痛がる。
 獣医さん、これはエールリヒア病かもしれん、と言いだす。それ、前やったけど、すごい高熱出ましたよね、今回は熱はまったくないんですが(食欲もあり、足・腰以外に問題はなかった)。と言ったんだけど、症状はいろいろだから(麻痺が出る場合もある)、と言われ、採血して、一滴垂らすと陽性か陰性か判定できるテストをしてみた。陰性でした。
 ついでに採血したのを血液検査に回し、そしたら赤血球がやや少なめと出た。10月にも血液検査して(このときはなんだっけか、食欲不振だったかな)、そのときも同じだったんだよね。獣医さんは、病気と断定できるほどじゃないけど、気になる、でもわからない、と頭を抱えつつ、痛み止めの注射と抗生物質を与える。結局抗生物質は、私の勝手な判断でやめましたけどね(だってどう見ても感染症じゃないもん)。


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 そのころのワンコ。


 獣医さん、一生懸命考えてくれてるのはわかるんだが、赤血球減少(貧血)と足の痛みは別問題じゃないの? という疑いがどうしても私の頭から離れず、そもそもどうして形成不全でないと言い張るのか?
 で、いろいろ友人の友人で犬をたくさん飼ってる人たちの推薦などを検討して、別の獣医さんに連れていってみた。

二軒目で形成不全が確定

 そこは二人の獣医さんがやってる診療所で、若いほうの先生に当たった。これこれこうで、と話すと、血液検査の結果を見ながら、でもこれ、標準値が書いてませんねえ、と言う。検査してくれたのは人間用のラボだからねえ。てか、獣医なら犬の血液の標準値くらい覚えてないのか? 覚えてなくてもここ見れば書いてある、くらいの知識ないのか?(不安要素その1)
 そして、うちのワンコを触診することもなく(不安要素その2)、レントゲン撮りましょうと言う。まあ形成不全ならレントゲン撮るのがいちばんだから、それについては異存はないので、撮ってもらった。そこにレントゲン設備があったのが唯一の利点だったなー。まあワンコがおとなしくしてくれるか、この先生(や助手たち)がどのくらい犬を扱い慣れているか、などの不安はあったけど……とにかく無事終了。


 レントゲン写真、見事な形成不全でした。あとでウィキで股関節形成不全見たら、そこに掲載されてた典型的形成不全のレントゲンとうり二つ。
 ワンコ、もうすぐ5歳だよ? ふつうは1歳とか2歳で発現するような話を聞くけど……。
 で、獣医さんが言うには、これは手術しかないと。大腿骨の頭部分を切り取って、自然に形成される軟骨がそれを補う形でうまくはまるようになる、らしい。この話を聞いているとき、ダンナは別ののっぴきならない用事でよそに行っていたので、私だけで話を聞いた。一人では判断できないので、とその場では保留。


 帰ってからいろいろ調べたけど、気にかかるのは、この大腿骨頭切除手術は、体重20kg以下の犬になら効果が期待できる、という点(うちのワンコは40kgだ)。軟骨の再生が5歳になったワンコでどのくらい望めるのか、という点。そもそもこの手術の成功率はどのくらいなのか?という点。
 というのは、かかりつけの獣医さんも、もし股関節形成不全だったらできることはほとんどない、体重管理くらいだと言ってたんだよね。ある飼い主さんのシェパードが形成不全判明して、米国まで連れてって手術受けたけど治らなかったとか。このかかりつけの獣医さん、金儲けには興味のない先生で(そこがいいんだけど)、無駄な検査とかいっさいしない主義。でもねえ、私も含め、お金多少かかってもいいから何でもしてやりたい、という飼い主心理とちょっと相いれないところもあるわけで。
 とはいえ、今はびっこ引きながらでもいちおう自力で歩けているのに、治そうと手術を受けて寝たきりになったりしたら……体重40kgだよ? これは大変なことになる。老いて寝たきりになるなら、先が見えてるからどうとでもしてやるけど、いや今なったってどうとでも全力尽くすけど、5歳で寝たきりなんて、ワンコもイヤだよねえ。

三軒目で薬を処方

 どうしたもんだか……とダンナと悩みつつ過ごした一週間。私が定期検診で隣町の腫瘍科医と面談があったので、ダンナはその町の獣医さんと相談してみる! と仕事を休んで行ったんだけど、結局面談がいつものことだけど時間より大幅にずれこみ、そのあと行った獣医さん一軒はもう閉まってて、暗くなっていたのでもう一軒も不案内な町で発見できず。
 で、かかりつけの獣医さんとこで昔助手として働いてて、その後獣医資格を取って独立した人がいて。ニャンリンの避妊手術もその人にやってもらった。前のワンコの最後のときも、まだかかりつけ獣医さんの助手をやってたその人があれこれいいアイディア出してくれたこともあって、私は割と信頼していた。あの人に相談してみようよ。
 と前から言ってたんだけど、ダンナは「若すぎる」と却下していた。んだけど、とうとううなずいた。で、土曜日に行ってみた。ら、ニャンリンの手術はもう2年以上前の話で、そのころ診療所だったところは空っぽになってて……。でも隣の洗濯屋さんに訊いてみたら、どこに移転したかちゃんと教えてくれて、無事再会。


 レントゲン写真を見せて相談してみた。
 一番の私たちの不安は、手術するとしてどの先生に頼めばいいのか、成功率はどのくらいなのか。すると、再会した獣医さんの言うには、前にメリダ(人間の医療でもいい医者が多いと評判)の獣医さんのところで修行していたことがあって、その先生(名前を挙げて)は股関節形成不全の手術の専門で(と確か言った)、彼が修行中にもいくつもの手術をしたが、そのなかで失敗した例は一つもなかった、と。おおおおお、心強いお言葉! 
 とりあえず今は年末年始でややこしいから、年が明けてから、私もメリダの先生と1月に面談予定だし、そのときにワンコも一緒に、ということに。
 で、それまでは痛み止めと抗炎症剤、それと関節炎に効くグルコサミンとかビタミンミネラル各種入った錠剤を飲ませておいて、と言われる。そうだそうだ、前のワンコも腰を悪くしていて(結局腎臓に腫瘍だったんだけど)、そのときグルコサミン処方されてたよなー(効かなかったけど)。
 まあ、けっこう高かったけどね、錠剤2種類(痛み止めは2週間、グルコサミンは一か月分)。でも、それが効いてるんですよ。飲み始めて4日目だけど、まだ少しびっこはひいているものの、散歩も積極的に行くし(長距離は歩かせないけど)、私が猫と遊んでると、私も私も〜とおもちゃをくわえて寄ってくるほどに元気。ずっとこのままなら、手術しなくてもいいかもってくらい。まあ薬が永久的に飲めるものなのかわからないので、そこは問題だけど。


 というわけで、いちおう先に希望が見えてきて一安心。したんだけどね……。
 実はそのメリダの獣医さん、名前を聞いていたのであとでネット検索してみたら……トップに出てきたのが何と、告発文だったんですよorz そもそも、股関節形成不全の専門家、という記述は他のところを見てもまったくなくて。そしてその告発文によると、その人の犬が下痢をしていたのでそこへ連れていったら、点滴しますと言って一日入院し、いったん帰宅した。が、そのとき、それまではしてなかった咳をするようになっていて、家でまた具合が悪くなったのでもう一度病院に連れていったら、再度入院、そして死んでしまったと。病院のミスだ、という内容だった。
 うーーーーん、ネット上のこういうのって100%当てにはならないし、獣医をやっていれば死んでしまうケースはそりゃあるだろう。けど、まあ、再び不安になっているのは否めません……。どうしよっかなー……。まずはその先生と直接話してみて、信頼できそうかどうか自分で判断するしかないよね。
 でもそんな、当てにならない勘に頼って、取り返しのつかないことになったら……と思うと、悩む悩む。自分の手術のときは2回ともまったく悩まなかったけどねえ。でもほら、人間はさ、いちおう失敗とかしたらいろいろ責任問題とかになるけど、動物の場合はね……。それで苦い経験もしてますしね。


 とりあえず悩みつつ、年を越すことになりそうです。まあワンコが今のところ薬のおかげで元気でご機嫌にしているのが何よりの慰め。
 犬の股関節形成不全について、ご意見や経験おありのかた、初めてのかたでもどしどしコメントいただければ嬉しいです。