南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

世界三大奇虫、ウデムシ!【閲覧注意】

 ちょっと前に玄関先で巨大ゴキ○○ブラベルスを捕獲したもんだったけど。このブラさんは、もう寿命だったのか、それとも私が松葉杖でろくにお世話できなかったせいか、お亡くなりに〜。
 で、そのブラさんへの愛を私に吹き込んでくれた、変な動物好きなある人が、ちょっと前に熱をあげていたのが、ウデムシ。そこで私はその変な虫を初めて知って、しかもそのうちの幾種類かはメキシコにもいると知って、でも見たことないよなあ、と思ってた。


 で、クジャコたちの大たらいのホース取り付け口を(結局専門の鉛管工の兄ちゃんは来てくれなくて、アルミ職人のおじさんに頼んだんだけど)つけてもらったので、今日、恒例の水槽掃除でやっとこさ、取り換えよう♪ とウキウキ、古いほうのたらいを空にして、ホースをえんやこらと取り外し、大汗かきながらどけてみると……。
 下にブロックを敷き詰めてその上にたらいを載せてたんだが、排水が少しでも楽なようにと、片端に石を噛ませて少し持ち上げてたんだよね。なので、たらいとブロックのあいだに隙間ができてた。
 そして、そのブロックの穴のなかに、いたのですよ、ウデムシが!!!


 ブラさんとは違った意味で、奇虫と言われるくらいへんちくりんな虫で、何に似ているかと言えばパッと見、クモが一番近いと思うので、苦手なかたは【【【【閲覧注意】】】】です!!







 よろしいですね? でも、すごく変で面白い虫だから、できればぜひ見てみてください。






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 ブロックのなかにいたところ。これ、ウデムシって知らなかったら、ぜったい、ちょっと変なクモだな、くらいにしか思わなかったよね。いるところもよく似てるし。
 これをとりあえず、いつものコオロギのケースに追い込んで捕獲。大たらいは、取り付けてもらったホース口のサイズがホースと合ってなかった( ゚Д゚)、という事態発生により、設置はまたも先延ばしになったんで、心置きなく?ウデムシの観察を。


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 ほんっとに変な虫。足が、5対あって、いちばん前のはカマキリかカニのハサミのよう。獲物を捕まえるためにトゲがいっぱいあって、「捕脚」というそうな。そして、鞭のようにヒョロヒョロと長ーーーーーーいのが「触脚」。そしてまあ普通の虫っぽい足が3対。


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 もう少しアップで。捕脚がよくわかるかな。そして昆虫のように頭部・胸部・腹部の三つではなくて、クモのように頭胸部と腹部のふたつに分かれている。


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 もう一度全体像。なんと言っても不思議なのが、このヒョロヒョロの触脚。これがまた自在に動いて、周囲をちょいちょいと触って、確認・認識しているようなのだ。一度容器に入れてしばらく放置し、さて、どうしてるかなと蓋を開けて覗き込んだら、この触脚でつんつんと壁を打診してから、いきなり飛び上って逃げようとしたよ、ビビったよw でもさすがにコオロギ容器の壁は高くて無理だったけど。

 虫を捕まえて食べるというので、試しにミルワーム入れてみたんだけど。上からポトッと落ちてきたミルに、何者!? ズザザ!とあとじさるウデムシw そのあとを動画に撮ってみたけど、食べてはくれなかった。ちょっと大きすぎたか、お腹空いてなかったか、それどころじゃなかったか?


 大きさも測ってみようと、ものさしをケースの下に置いて撮影。

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 でも、足を伸ばしたらどれくらいになるのかはわかんないね……。ミルちゃんは結局取り出して戻しました。

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 頭の先からお尻までは18mmくらいかな? 

さて、なんというウデムシか?

 ウデムシと一言に言っても、世界中にかなりの種類のウデムシがいて、アフリカなんかだともっとでかいのとか、もっと捕脚が(冗談みたいに)長いのとかいるんだよねえ。メキシコのは(というかアメリカ大陸のは?)この捕脚がかなり短い種類がメインらしい。

 で、前にちょっと調べたとき出てきた論文では、これ(PDF文書)がメキシコのウデムシに関して一番詳しいかな?
 ここを見てると、カンペチェ州には Paraphrynus raptator ってのが一種いるきりってことになっている。比較的近い(ファウナ的に同一の)タバスコ州でも、Paraphrynus azteca と Paraphrynus chiztun の2種、ということになってる。ま、この3種、検索しても区別つかないんだけどw 論文では、腕の棘の数や大きさで同定できるみたいだけどねえ。
 んで、この辺にいるのはどっちにしても Paraphrynus なのか、と思ってたんだけど。何気なくPhrynus 属を検索してみたら……あれ? こっちのような気もするよ? いや、わかんないけど。
 上記の論文、詳しく検索表で同定できるようになってるんだけどねえ、トゲの数とか数えるの、生きてるのに無理だわ……。いや、そのうちひっ捕まえて虫眼鏡でじっくりと……? でも専門用語がわかんねえw 

とりあえず飼ってみます

 名前はわかんないけど、ウデムシはそんなに違いもなさそうなので、しばらくでも飼ってみようかな。うまくご飯食べてくれるといいんだけど……。もう少し小さめのミルワームか、あるいは庭で何を食べてたのか考えてみたら、ワラジムシとかかなあ? それともちっちゃなゴキさんたち? カタツムリは食べないと思うし……。見つけたときブロックのなかにいたのは、アリとムカデ。ムカデはうんとでっかいのも一匹いたけど、ちっちゃいのもいた。ムカデ、食べるのかなあ?


 とにかくいろいろ検索してみると、まずはざらついて掴まりやすい垂直の壁が必要らしい。ブロックのなかもそうだったし、そりゃそうだな。と、段ボールを切って山型に折って入れてみたけど、穴も開いてたけど、お気に召さず。イグコに昔使ってた水泳用スポンジのボロボロになったのを切っていれてやると、これは具合がよかったらしく、しっぽりと収まってくれた。

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 下にはペットボトルの蓋に、たっぷり水を含ませたペーパー。

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 ひとまず、ケースの底で居心地悪そうなのは解消されたかな。明日はもうちょっと大きいケースにセッティングしてやるつもり。
 これを書いてる夜の9時、スポンジからそろりと出てきてる。お腹空いてるのかな?