南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

ウデムシについて、うちのはPhrynus

 今日は何となく、だらだらとウデムシについて勉強していた。うちのウデちゃんの写真はないけど、あちこちから拾った画像(写真じゃなくて図版だけど)とか無断拝借してきて載せるので、【苦手な人は要注意】です。


 前にメキシコのウデムシについて書かれた論文を発見したけど、せっかくついてる検索表も専門用語が多すぎて挫折してた。それを、今日はちょっとだけ頑張って解読してみた。
 まず、2ページ目にあるメキシコに生息する3属への検索表。
 pedipalpo の tibia のトゲが
   - 一本だけすごく長いのは、Acanthophrynus
   - 3本目と5本目が長くてそのあいだにある4本目が短いのは、Phrynus
   - 3本目と6本目が長くてそのあいだにある4本目と5本目が短いのは、Paraphrynus


 んで、pedipalpoって何よ?ってところから。

 画像は英語版だけど(こちらから拝借)、まあ単語はほぼどれも似たようなもんだから。で、Pedipalp(o)ってのは、捕脚、あの、顔の前についてる太いやつのことかー。
 で、tibiaってのはサッカー関係でよく目にする単語で、私もこないだひびが入ったやつ。足のすねの骨のことなんだけど、虫の場合は、足の関節の特定部位を指している。

 これも画像は英語(こちらから拝借)。
 で、tibiaってのはジャックナイフ風に曲げた腕の下腕部分に当たるところか、と。うちのウデちゃんはそこのトゲがどうなっているかと写真でいろいろじっくり見てみると……どうも Phrynus っぽいねえ。明らかに3本目と5本目が長いし。この論文には、私の住んでる地域にいるのは Paraphrynus ばかりになってるんだけど……。まあちょっと古い論文でもあるし(2006年)、そんなに丹念に採集されてるものでもないからかな。


 そこで、8ページの Phrynus属の検索表に跳んで、そこからさらに種を同定しようとしたんだけど……無理。quelícero って何よ、ってのは上記の図で chelicerae と書かれてる部分ってのはわかるんだけど、そこにトゲが何本生えてるかなんて、見えないってば!
 だけどとにかく、うちのウデちゃんが成虫だと仮定して、18mmあることはわかっているので、大きさでマッチする種をピックアップしてみる。

  • Phrynus asperatipes 18-21 mm MÉXICO (estado de Baja California Sur)
  • Phrynus garridoi 16-21 mm MÉXICO (estado de Guerrero)
  • Phrynus hoffmannae 13-17 mm(微妙) MÉXICO (estado de Chiapas)
  • Phrynus operculatus 18-22 mm EE.UU. (Texas), MÉXICO (estados de Nuevo León, Sinaloa, Nayarit, Jalisco, Colima, Michoacán,Guanajuato, Guerrero, Morelos, Oaxaca, Chiapas)太平洋側
  • Phrynus parvulus 15-18 mm MÉXICO (estado de Quintana Roo), Belice y Guatemala.
  • Phrynus whitei 15-29 mm(えらい幅がある) MÉXICO (estados de Jalisco, Veracruz y Chiapas), Guatemala, Honduras, El Salvador, Nicaragua y Costa Rica.


 バハカリフォルニアとかゲレロ州に分布する最初の2種、チアパス州で大きさもちょっと合わない P. hoffmannae、かなり広範囲に分布してるけど太平洋側の P. operculatus はこの辺にいる可能性が低いものとして、残るは P. parvulus と P. whitei ですかね。
 で、この2種の説明を読んでも、わからん〜。まっ、いいや、Phrynus sp.ってことで。


 スペイン語での部位名称は、ウデムシについてはいいのがなかったんだけど、クモのほうがよく研究されているようで(英語でも)、まあクモもこうして見ると、体の構造やっぱよく似てるよね。というわけで、こちらから拝借。

 英語の chelicerae が、スペイン語では quelíceros になるのがちょっとわかりにくいかも。


 あと、スペイン語だけどこちらのページは、大量の写真を交えてウデムシの基本的な情報について丁寧に書かれている。
 こちらは同じくスペイン語で、図版の4と5を逆に置いたほうがいいと思うけど、サソリモドキ(Uropygi)とウデムシ(Amblypygi)の形態について詳しく書いてある。図が少ないのが難だけど。
 またそのうちじっくり読んでみよう、てことでメモ。