南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

【閲覧注意】タランチュラ〜!

 今日はまた、掃除のおばさんが来るなり「セニョーラ! 新しい動物持ってきました!」って、おいおいおい、猫はもう無理、てかドロガメのオスならいいけどそれ以外は……とか思いながら出ていったら、旦那さんがガラス瓶を持って立ってた。中身は……はい、タランチュラ。


 だーーーいぶ前に、掃除のおばさんが、親戚のランチョ(農場)では子供たちが毛むくじゃらのタランチュラを手に載せて遊んでるって話をしていて、へえー、どの種類だろう、一度見てみたいなー、とは言ってた。が、持ってくるとは……( ゚Д゚)(≧∇≦)(・ω・) 嬉しいけど困る、困るけど嬉しい。でも目の前にいたら受け取るしかないっすよね?
 スペイン語名でTarantula de cola roja、尻尾が赤いタランチュラっていうらしい。あと、イシュベク、だったか、イシュバク、だったかみたいな名前も言ってたけど、それ、マヤ語? とりあえず赤い尻尾で検索したら、メキシカンレッドランプ(学名 Brachypelma vagans)というやつだとすぐに判明。
 そこから、ほとんど一日タランチュラについて調べてたよ……。そして、たぶんうちのタラちゃんは(サザエさんちのタラちゃんじゃなくて)メスじゃないかなと思う。

 さて、以下、タランチュラのドアップ写真連続なので、クモが苦手で見るのもダメってかたはごめんなさい、ここでユーターンしてください。






 まずは持ち込まれた瓶のなか。

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 正面顔。といっても、正直、どこが顔なのか目なのか鼻なのか、よくわからん。

 いろいろ焦りながら検索し、とりあえず空いてた大きいほうの昆虫ケースに土を入れる。掃除のおばさんたちの話では、土に穴を掘って潜り、入り口にクモの巣を張っているというので、じゃあ深くないとね? とほぼ半分近くまで土を入れ、カメンコの幼少時代のハウスだったココナッツの殻(半分)をシェルターに入れてみた。そしてガラフォンの蓋を水入れに。そこへタラちゃんの入った瓶を横たえ、出てくるのを待つ。しばらくすると出てきた。

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 おとなしいので、手を横に置いてみた。

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 体長(足を含まない)は7cmほど。ほぼフルアダルトサイズ。

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 少し前のほうから。うーん、しかしこのまっ黒つやつやのベルベットみたいな毛並みがうまく撮れないねえ。足の銀色も、もっとすごいんだけどなあ。

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 さて、ケースを外に置いてたけど、いろいろ調べながら様子も見たいから部屋に持ち込みますかー。お、重ッ! 土を半分ほども入れてるから、カメンコより重い! でもまあこれならイグコやイグリンコ、猫たちにひっくり返されることもなかろう。
 で、玄関のドアから持ち込んで、ドアを閉めるためにいったん床に下ろしたら、ワンコとニャンタがめっちゃ寄ってきて、タラちゃんのいる隅を鼻くっつけて匂いを嗅いでた。人間には無臭に思えるけど、やっぱ生き物がいるってわかるのかなあ?
 その後、部屋に置くと、しつこいニャンタが、

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 狙いまくって、しまいには横から、

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 ビシバシとパンチまで。ケージの蓋をすごい顔してかじったりもしてた。

タランチュラ全般について

 前からすごいなとは思っていたけど、生態とかに関してはまったく知らなかったので、とにかく必死で調べまくった。ネットがあるってありがたいなー。


 まずはウィキペディア、タランチュラ=オオツチグモ科ということで、大雑把な展望。土蜘蛛、というけど、樹上性のとかもいて、土に穴掘って暮らしているのばかりではないらしい。南北アメリカ大陸に生息するタランチュラは、別名バードイーター、鳥食いと言われる地表性、徘徊性。アフリカにもアジアにも、それぞれタイプの違うタランチュラがいるんだなあ……。


 そして日本語でタランチュラについて総合的な知識をまとめてくれているサイトもいくつか。

  • Pets!Pets!さんとか、
  • 八百鬼夜行さんとか。
  • こちらはpdf文書で文字が多いけど、詳しいのでなかなか役に立つ。みるかし姫さんが書いたものらしいけど、みるかし姫って風土記に出てくる土蜘蛛(当時の天皇に反抗していた土着民)の指導者のひとりだよね(馬場あき子『鬼の研究』情報)。

 とにかくここら辺を読みまくったけど、また落ち着いてしっかり読んで勉強しなくてはー。


 にしてもタランチュラって面白い。メスは長生き(20年とか)するのに、オスは短命(3年くらいとか)だとか、脱皮するときは土をならして柔らかいベッドを作り、そのうえにあおむけになって寝て、皮を脱ぐとかw そんな脱皮の様子をチョー早回しで見せてくれる動画はこちら。

 これだけのスピードで流しても動きのないところもあるけど、実際に見たら感動するだろうなあ。


 英語で総合的なタランチュラ知識のサイトもあった。

 体の作りとかから、丁寧に書かれていて、まあ英語だからよくわからんところもあるけど、すごく参考になった。特にオスメスの区別は他のところを読んでもちょっとわかりにくかったんだよね。
 で、うちのタラちゃんは短命なオスなの、それとも長命なメスなの? ってところがすごく気になったので、頑張ってお腹側を撮影してみた。

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 メスってことでよろしいでしょうかね?

メキシカンレッドランプについて

 さて、ランプって明かりのランプじゃなくて、胴体のことなんだってさー。つまりメキシコ赤腹タランチュラってこと? 実際に赤いのは胴体じゃなくて、そこに生えてる毛だけが赤いんだよね。

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 これはなかなか良く撮れた写真だと思う、うん。タラちゃんもだいぶリラックスしてきてたのかな。

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 立体感を演出。


 ウィキページは英語ドイツ語。でもスペイン語がないのだ。なんでだ。
 このタランチュラには(というかどのタランチュラにも)人を殺すような毒はない。それは知ってた。でもバードイーター類は、お腹の毛(刺激毛)をいちばん後ろの足で引っかいて散らすという攻撃方法を持っているんだそうな。で、この毛が肌につくと猛烈に痒いらしい。うむ、怒らせないことにしよう。だって、あんまりそれやりすぎてタラちゃんがハゲになったら困るもんな。

 レッドランプの性質は、おおむねおとなしい、けどちょっと神経質、というのがだいたい共通の認識っぽい。まあ私には比較対象がないからわからんけど、少しつついてもゆるっと動く程度で、おとなしいもん。ま、捕まってひどい目にあって、ショックで弱ってたりする可能性もあるけど。あと、老齢とかね。


 先ほどリンクしたPets!Pets!さんにもレッドランプの紹介ページがある。あとは大したこと書いてないけど英語のこちらのページとか、スペイン語のこちらのページとか。ここには、穴を掘って住んでいると書いてある。Pets!Pets!さんによると、バードイーター類は野生だと穴を掘ってるけど、飼育下では別に掘らなくてもいいんだそうな。アバウトな性格、大陸の人間に似たのかなw こちらの英語サイトには、穴に潜ってる写真も。


 動画ですと、英語の紹介動画。

 この手の動画って人間がひたすらしゃべってるところばかり映ってるのが多くて、動画にする意味あるんかい!と思うけど、これはまあまあいい感じ。で、最後のほうに、巣穴の入り口にクモの巣らしきものがかかっているのが見える。2分20秒くらいかな。そう思って見ると、そこまでの捕食シーンも穴の入り口だったんだなあ。


 こちらの動画は、この近くの自然保護区で見かけたレッドランプを撮影したもの。

 自然でどんな感じのところにいるのか見られて(まあ道路のうえで生活してるわけじゃなかろうが)、参考になります。
 今日聞いた話では、ランチョではタランチュラって家畜の足とかを噛んで傷にして、その傷で死なせるわけではないんだけど、そこから化膿したりして歩けなくなって死んでしまうパターンが多いので、大変嫌われているんだそうな。見つかったら即撲殺。このタラちゃんは、変な日本人がほしがりそうだってことで命拾いしたわけだねえ。


 さて、ハンドリングはこれまでも写真や動画を見たことあったけど、実際自分にできるのか? と考えると、まあもう少し様子を見てからw そうっと優しく触っている分には問題ないようだけどね。参考動画は、種類違うけどこちらとか。


(実際のハンドリングは45秒くらいから)


 ちなみにタラちゃん、腹面の写真を撮るため、こんな入れ物に入ってもらった。

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 狭くてごめんよ〜。てか、頭から入ったから、出られるのか? って心配になった。そのままケース内に置いといたら、さすが夜行性、先ほど動き出してちゃんと出てた。

 でもおかげでこんなお尻写真や、

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 こんな頭胸部の裏面写真も撮れたよ。

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 赤っぽい毛に囲まれているのが、牙。噛まれたくはないねえw
 なんにしても、興味深い子をいただきました。