南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

ポチオの卵三つめが発生開始

 ポチコポチオの卵たち、かなり湿度高くしてるので、カビてないかだけでも毎日チェックしてるんだが。
 無精卵っぽかったポチオの三つめ、毎朝、お!? 白帯出てる? とケースの外から空目して、蓋を取ってがっかりだったので、今日は帯が出てるように見えても期待してなかった。ところが。

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 おーーーいおいおいおい! 出てるじゃないか! なんで? そういえば昨日、30度じゃちょっと暑すぎかなと思って、パネルヒーターの目盛りを心持ち下げたんだけど、もしかして暑すぎたとか? 28度くらいが適温だった?

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 それにしても不思議なもんだなー。こういうのをもっと事例集めて、温度とか湿度とか厳密にデータ取って、どういう仕組みになってるのか調べてみたい。


 ただ、今回の最初のふたつもだけど、白帯がある程度広がったところで止まっちゃう。3.3.1と3.3.2も同じく。5日から6日にかけては帯の両端が平行になるように広がったけど、それからさらに24時間、変化がない。ポチコの卵も全部そんな感じだった。元旦のは、加温せずに放置したからかと思ったけど、2月18日のもなんだよなあ。
 ドロガメの卵ってそうなの? とネットで調べてみたけど、どんな単語で検索すればいいのかもよくわからなくて、情報見つからず。で、FBでポチスケを売ってくれたメキシコ人、ドロガメ各種いっぱい繁殖販売してる人だから知ってるよねー、と思って質問してみた。
 白帯って卵の端まで広がっていくもん? と訊いたら、そうだと言う。うちの、広がらないで止まっちゃうんですけどー、と訴えたら、へーきへーき、帯は重要じゃない、胚が育ってるかどうかだ、と言う。そりゃそうだろうけどー、それがわからないから悩んでるんじゃないかーw で、こないだのポチコ卵の写真を見せたら、普通普通、と。そっか。じゃあひとまず安心してこのまま置いてみるー。


 と言いつつ、日が暮れたらチェックw ポチコの卵、元旦の分の一個は大丈夫そうだ。でもあと二つはダメかも。2月の分も一個は行けてる感じだけど、もう一個はどうだろう……?

1.1.1は発生が進んでる感じ

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 帯はほとんど広がってない、というか境目がよくわからなくなってるけど、上から見ても横から見ても中身がしっかり詰まってる感じで、黒っぽい影は胚が育っているのかも。ワクワク。孵化するとしたら、これがいちばん早そう。

 外から見た画像も追加。

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 白帯は不明瞭になって、胚の影になってる部分とほぼ一致するかな?

1.1.2はやっぱりダメっぽい

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 これは前回もダメかなと思ったけど、白い帯が普通に見たら見えてるのに、キャンドリングするとほとんど見えない。下半分に溜まってる感じ。それと、端っこに気室ができたような影が現れてる。写真だとわかりにくいけど、普通に見ても白っぽく乾いた部分として見える。

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1.1.3もダメかも

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 これはこないだは行けるかもと思ったんだけど、今日見ると1よりは2に近い感じで、帯のところに何もなく、下半分に溜まってる感じ。赤く血管らしきものが見えるから、ある程度までは発生したのかもだけど……。どうかなあ。

2.18.1は大丈夫そう

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 これも下半分に影ができてるんだけど、それでも帯の部分がしっかりと中身詰まってる感じだし、両端もスカスカな印象ではないんだよね。写真だと難しいけど。

2.18.2はどうだろう……?

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 こちらは1より中身が薄い感じなんだけど、例のメキシコ人にはこの卵の写真(前回の)を見せたら、普通普通〜って言われた。横っちょにある赤い点もちゃんと胚(血管)らしい。まあ希望は捨てないでおこう。

3.3.1(ポチオの卵)

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 これはまだ帯しかなくて、下半分にやや影ができている程度だけど、まだ一週間だからなー。

3.3.2

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 これもまったく同じ。ただ、卵のサイズがこれはけっこうでかい。ベビーが生まれたら他のよりでかい(というか長い)のか、それも楽しみ。

3.3.3

 そして本日発生がやっと始まったラッキースリーの3.3.3は、

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 まだ帯がぐるっと一周してなくて、こっち側は不完全。反対側は

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 下まで回ってるんだけどね。

ちょっと面白いデータ

 卵ばっかですいません。さらに続くこの話題。検索しても卵の発生については思ったような情報はなかったけど、ドロガメの卵についてこんなページを発見。スペインのサイトで、地中海性気候でのドロガメのメスと卵についての記述。写真があったと思われるところの画像がすべてなくなってるのが残念だけど。

 Kinosternon全般について、まずは(上記の地方にて)産卵は春の初め、冬眠から目覚めてすぐのころ、あるいは5月か6月でも可能。加温飼育の場合は年じゅう可能。各クラッチの卵は3個か4個、3クラッチまで可能だがたいていは2クラッチ。穴はさほど深くなく、最後の卵は土から出ているのが普通(!)。地面のうえに直接、植物や枯葉のあいだに産んじゃうことも。


 産卵から孵化まで。孵卵器は28度、湿度85〜90%に。毎日孵卵器の蓋を開けて酸素供給のこと。自然状態では休眠に入るのが普通(そうなのか……地中海性気候では、かもだけど)。
 で、面白いのはここからで、いろんな条件で孵化させた人の例が挙がってる。

  • Kinosternon scorpioides, K. cruentatum cruentatum と K. cruentatum albogulareの三種の卵合計12個。孵卵器にて29〜30度、85〜90%を保持。190日が過ぎて、検卵ですっかり光を通さなくなって一ヶ月半以上経っていた卵を人工的に開けてみたところ、自力では孵化できなかった Kinosternon cruentatum albogulare の健康なベビーが誕生。K. scorpioides の卵2個には、かなり出来上がっていたが死んだベビーが、うち一つは双子。それ以外の卵はいっさい発生なし。
  • 最初のクラッチの卵は29度に置いて、すべて孵化せず。第2クラッチは一ヶ月ほど23〜24度に置き、その後27〜28度に、湿度はずっと75〜85%で。この場合、Kinosternon cruentatum のベビー2匹が112日後に孵化。これまた検卵で光を通さなくなって一ヶ月半が経過したのちに人工的に開いたもの。
  • イギリスの科学雑誌に載った例? Kinosternon scorpioides cruentatum でふたつの方法。一つは日中は27〜30度に、夜間は5度(!!!!)にし、もうひとつの方法では最初湿度を低く、それから徐々に湿度を上げていった(具体的な数字と気温については記述なし)。どちらの方法でも、100日から160日後に孵化。
  • 最初の3〜4週間、卵を冷蔵庫で4度に、その後孵卵器に入れて27〜28度に。(そのあとどうなったか書いてないけど、孵化したから紹介してるんだよね?)


 という、けっこう驚きの結果。4度とか5度って何だよ。ていうかむしろそのほうが、ずっと28度とかより孵化率よくないか? 
 重要、と称して、人工的に卵を割った話が2例あるけど、通常はやらないほうがいい、とのこと。成功したこの2例ではどちらも、完全に不透明になってから一ヶ月半というところも重要。
 別のフォーラムで、8ヵ月経っても孵化しないドロガメの卵4つ抱えた人の質問があって、割ってみればと言われ、一個割ったら完全に腐ってた。もう一個割ったら生きた胚が動いてた、けど割っちゃったのでどうすることもできず死んだ、残りのふたつはひたすら待つべきか、ってのが。8ヵ月って240日。でも状況によっては休眠状態に入ったらそのくらいかかってもまだ生きてる可能性あるんだな……。


 先のサイトに戻って、ドロガメの卵は鶏卵タイプの殻が固いヤツなので、気温や湿度の変化に比較的適応力がある、とのこと。柔らかタイプは逆に、変動に弱いと。確かに、クジャクガメやイグアナはものすごく深く掘ってしっかり埋める。イグコの卵はもっと難しいだろうな……。
 さらには、本来の生息地でない地中海沿岸地方で、飼い主が気付かないうちに知らないところで産み捨てられた卵が無事に孵化した例とか、興味深い事例も紹介されている。まあこの辺はあまり参考にならないので訳さない。
 さらには孵化したての子ガメの飼育についてなども書かれているけど、これも省略。


 とりあえずまあいろいろな孵化の例があるってことで、うちも可不可のデータをこれに付け加えられるよう頑張ろう……。